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ボ~っと癒やしを求めて!「おひとりさま」水族館のススメ【全国の水族館①】

2019.07.15
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夏がやってきた。

暑さで何をやるのもおっくうになるが、そんなとき心と身体に潤いを与えてくれるのが、水族館である。

水族館といえば、ファミリーやカップル向けお出かけスポットの定番だが、大人なら「おひとりさま」で行くのが、実は最先端だと思う。

マニアのように、魚や生き物に詳しくある必要なんてない。解説を丁寧に読む必要もない。何もかも忘れて、お気に入りの水槽の前で「ボ~っ」とするのが一番だ。チコちゃんに叱られたって気にしない、気にしない。

この「ボ~っ」とするのを楽しむのに、注目のキーワードがある。それが「水塊」だ。実はこのキーワード、サンシャイン水族館の「天空のペンギン」水槽など、斬新な展示を手がけた水族館プロデューサーの中村元氏が生んだ言葉。「水塊」という文字から連想できるように、まさに水の中にいるかのような浮遊感や清涼感・光のきらめきを体感できる水槽のことである。

つまり「ボ~っ」として癒やされたいなら、水塊度の高い水槽を見に行くのがいい、というわけ。

そこで参考になるのが本書『中村元の全国水族館ガイド125』。「水塊」に人一倍厳しい著者が、全国の水族館を実際にまわって総チェック。すべての水族館に対して「水塊度」を評価しているのだ。北は稚内から南は沖縄の美ら海水族館まで、その数125カ所。全水族館の水槽をナマで見ているのだから、その評価は確かだ。

参考までに、水塊度の高い水族館を本書の中からいくつか紹介しよう(P52 コラム「魅惑的な水塊がある水族館」より)。

1)名古屋港水族館 

圧倒的な水量という力業で極上の水塊を実現。しかも複数、魅力的な水塊水槽がある

2)サンシャイン水族館


遠近法を駆使した最新の水塊がある(写真)。空を借景にした「空と飛ぶペンギン水槽」の浮遊感も魅力的

3)沖縄美ら海水族館
 


元祖水塊水槽。巨大水槽にジンベイザメの浮遊感が積算される


4)しものせき水族館 海響館 


世界最大級のペンギン水槽がある。ペンギンの躍動感と立体感が圧巻

5)アクアマリンふくしま


自然光の射す水槽と、暗い親潮や深海のコントラストがダイナミック


いかがだろうか。

写真を見ているだけでも、十分に癒やされてくるが、実際の水槽はまた格別だ。生き物たちが生み出す水や光のゆらぎ、そして生き物そのものの動きが、水槽に命を与えているかのようで、いつまで見ていても見飽きないはず。

ぜひ本書を片手に、この夏はお気に入りの水槽探しを楽しんでもらえたらと思う。

なお、水族館といえば、やっぱり「魚」や「海獣」をしっかり見たい! と思う方、そんな方も安心されたい。本書の解説には、珍しい魚や一度は見ておきたい秀逸のパフォーマンスなどもたっぷり紹介されている。ファミリーでのお出かけにもきっと役立つはず。


写真:中村 元
  • 電子あり
『全館訪問取材 中村元の全国水族館ガイド 125』書影
著・写真:中村 元

■令和最初の「平成の水族館」集大成
水族館プロデューサーの著者が、作り手と観覧者の両方の視点で、全国125箇所の水族館を総チェック! 北は稚内から南は沖縄まで、水族館の隅から隅までを全部著者が取材。ため息が出るほどの美しい水塊写真と、マニアも唸る深い解説で、水族館の魅力をお届けする。

■プロデューサーと観覧者、両者の視点で解説
サンシャイン水族館の「天空のペンギン」水槽をはじめ、大胆かつ個性的な展示で、次々と人気水族館を誕生させてきた水族館プロデューサー(c)の中村元氏。水族館について知り尽くす著者が、プロデューサーと観覧者の両方の視点で、各水族館の見どころや魅力、楽しみ方を紹介する。
水槽展示の奥深さはもちろんのこと、パフォーマンスショーの裏側、地域ならではの特性や生き物、弱点を武器にした展示など、目からウロコの独自解説が楽しい。
展示のプロの著者だからこそできる水槽の種明かしは、まるで生ガイドを受けているかのよう。著者とともに、自分にとっての「特別な」水族館に見つけに行きませんか。

【おもな掲載水族館】
■関東
サンシャイン水族館/葛西臨海水族園/すみだ水族館/上野動物園 両生爬虫類館/足立区生物園/板橋区立熱帯環境館/新江ノ島水族館/横浜・八景島シーパラダイス/ズーラシア/京急油壺マリンパーク/箱根園水族館/鴨川シーワールド/水紀行館 水産学習館/アクアワールド/栃木県なかがわ水遊園など

■北海道
北の大地の水族館/おたる水族館/豊平川さけ科学館/サンピアザ水族館/円山動物園/旭山動物園など

■東北
アクアマリンふくしま/男鹿水族館GAO/加茂水族館/仙台うみの杜水族館/もぐらんぴあ水族館など

■北信越(+山梨県)
マリンピア日本海/上越市立水族博物館/イヨボヤ会館/尖閣湾揚島遊園・水族館/寺泊水族博物館/アルプスあづみの公園/蓼科アミューズメント水族館など

■東海
名古屋港水族館/南知多ビーチランド/竹島水族館/豊橋総合動植物園/碧南海浜水族館/沼津港深海水族館/世界淡水魚園水族館 アクア・トトぎふなど

■近畿
琵琶湖博物館/丹後魚っ知館/京都水族館/海遊館/ニフレル/城崎マリンワールド/姫路市立水族館/和歌山県立自然博物館/エビとカニの水族館など

■中国・四国
海響館/マリホ水族館/なぎさ水族館/カブトガニ博物館/しまね海洋館 アクアス/宍道湖自然館ゴビウス/かにっこ館/桂浜水族館/むろと廃校水族館/足摺海洋館など

■九州・沖縄
沖縄美ら海水族館/マリンワールド海の中道/長崎ペンギン水族館/九十九島水族館 海きらら/むつごろう水族館など

レビュアー

大木大地

陸・海・空すべての乗り物とフィールドを愛するフリーライター。目指すは全天候型の物書きだが、猛暑と寒さに弱く、道のりは遠く険しい。

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