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【Twitterで話題沸騰】読むと分別したくなるゴミのエッセイまんが

ゴミ清掃員の日常
(原作・構成:滝沢 秀一  漫画:滝沢 友紀)
2019.06.19
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好きなラジオ番組があります。そこで何度も紹介されていたのが「マシンガンズというお笑いコンビの滝沢っていう芸人がいて、彼がゴミ清掃員をしているんだけど、その話が面白い」というものでした。気になって滝沢さんのTwitter(@takizawa0914)をのぞいてみました。「#ゴミ清掃員の日常」のハッシュタグでまとめて読めます。

芸人×ゴミ清掃員 「#ゴミ清掃員の日常」誕生まで

滝沢さんはマシンガンズというお笑い芸人をしています。相方は西堀さん。芸歴は20年以上になります。

お笑い芸人ではありますが、その収入は決して多くはありませんでした。
しかしそんな中、奥様の妊娠によりお金が必要に。しかし36歳を過ぎるとアルバイトすらありません。そこでお笑いの道をあきらめた知人に電話をして仕事の相談をすると、「ゴミ清掃員」を紹介されます。

こうして知人の伝手により「ゴミ清掃員」と「芸人」ふたつの顔を持つ人になります。早朝からゴミ清掃員として働き、夜は芸人に。

そんな滝沢さんの「ゴミ清掃員」と「芸人」の知識と経験と面白い部分が繋がったのがTwitterでした。

滝沢さんの「#ゴミ清掃員の日常」のツイートを見ていると、ゴミから社会や街が見えてきます。ゴミを出さない人はほぼいない。ゴミとは暮らしの一部、人生の一部、人の一部、そう感じられるようになります。

ゴミの分別がしたくなる! 便利な知識がいっぱい

滝沢さんの「#ゴミ清掃員の日常」を眺めていると、何気ないゴミの話ですが、自分の暮らしにも役立つ知識でいっぱいです。今回は漫画なので視覚的にパッと理解ができ、Twitterの文字だけの面白さから、さらにパワーアップしたように感じます。

本編からいくつか好きな部分を抜粋してご紹介します。

(1)竹串の「なるほど!」な捨て方


竹串は家庭でもよく使う消耗品。先端が尖っているので、そのまま捨てるとゴミ袋に穴が空いたり裂けてしまったり。清掃員の怪我の原因にも。そこで牛乳パックや箱ティッシュに詰めて先端が刺さらない工夫をして捨てている方がいて感心したというエピソード。これならワタシもできることだからやってみよう! と思えました。清掃員の方に怪我をしてほしくないなので、ちょっとでもお役に立てるなら、家で一手間かけたいな、とも。

マンション暮らしなので、ゴミ清掃員の方とやりとりする機会はなかなかありません。でも、こういう裏話に触れることで、とても勉強になりました。

(2)ビデオテープやCDなどのプラスチックは「可燃ゴミ」になった!? 焼却場の進化を知る

昔、「プラスチックは不燃ゴミ」というふうに習ったと、なんとなく記憶しています。今住んでいる自治体に引っ越してきたら、ゴミ分類図で「可燃」になっていました。

「いいのかなぁ? 本当に捨てていいのかなぁ?」

ずっと不思議だったのですが、この漫画を読んでやっとしっくりきました。焼却場のゴミを燃やす性能が進化して、今はプラスチックも高温で燃やせるようになり、有害な煙が出る問題も解決できているとのこと。CDやビデオテープが可燃ゴミに変わった理由がわかってスッキリしました。(※自治体・地域によって捨て方のルールが違うので、詳しくはご自身の自治体のゴミの分別をご確認ください)

(3)ゴミの集積所から街が見えてくる

これは不動産関係の仕事をしている友人や、店舗関係の仕事をしていた両親からも聞いていた話だったので特に興味深かったです。

「引っ越しで家を探すとき、マンションだったらマンション内にあるゴミステーションをチェックして綺麗な所は管理がしっかりしてるからいいよ。ゴミステーションが綺麗なところは住んでいる人もマナーがいい確率が高い」

「集積所が綺麗な所は街のコミュニティがあるから住みやすいよ」

ワタシも物件選びをするときは、ゴミステーションがあるかどうか、管理がちゃんとされているか、そこのゴミが荒れていないか、汚れ過ぎていないかなどをチェックしていました。人から教えてもらって、なんとなくそうなのかなぁと思っていた部分が、清掃員の方による解説でさらに納得。

ゴミは生活に直結している。ゴミってそもそも何だろう?

ゴミは生活の一部であり、人の暮らしの一番末端部分になるのかもしれません。そこにはいろいろな事情はありますが、その人の気遣いとか優しさとか誠意のようなものが出ます。「ゴミをきちんと出せる」はその人が本当に考えていることや心の近い部分を知ることになるのかも。

ちなみに、ワタシが今の夫と家族になろうと決めた理由のひとつも、「部屋が綺麗で、ゴミの分別がメチャクチャ丁寧」でした。ワタシがいるからしているのではなく、普段からしているから、手際良くささっと分別する姿を見たとき、後光が差しているようでした。「見えないところも丁寧っていうのは、他人に対して想像力もあって、自分にも他人にも誠実な人なんだろうなぁ。こういう人は嘘ついたりしないだろうなぁ」と思ったからです。漫画を読んでいて、これは間違いないなと感じました。

漫画を読んでいると清掃員の日常を通して「ゴミって何だろう?」という根本的な部分に考えが辿り着きます。

ゴミをなるべく少なくする工夫をすれば片付ける時間も減る。片付ける時間が減ればゆとりも生まれる。ゆとりがあれば他者を想像する時間が持てる。ゴミをなくすのは今の社会で生きていくには難しいですが、ゴミを減らす工夫はできるなと思いました。

「ゴミ」についてちょっと考えてみる。分別をもう1回見直してみる。暮らしを見直すきっかけにオススメの漫画です。Twitterを追いかけていると、滝沢さんのゴミ清掃員あるあるから、自分のゴミ分別を「#ゴミ清掃員の日常」のハッシュタグに投稿する人もいて、ちょっと優しいゴミの捨て方に触れることもできて、素敵な連鎖があるなと思います。

  • 電子あり
『ゴミ清掃員の日常』書影
原作・構成:滝沢 秀一  漫画:滝沢 友紀

『ゴミ清掃員の日常』と題し、ゴミ清掃にまつわるさまざまな話題を独自の視点で描いたマンガをTwitterにアップし、バズりにバズる。
マンガ『ゴミ清掃員の日常』は滝沢がネームを、滝沢の妻が作画を担当する。マンガはどちらも素人による夫婦共作。掲載は「コミックDAYS」「マガポケ」「Palcy」といった漫画アプリ3つに加え「現代ビジネス」の講談社の4媒体で同時連載という異例のかたちになっている。

各媒体編集長からコメント

◆コミックDAYS編集長
お笑いで栄光を掴めなくても、ゴミ清掃員としてこんなに注目される。
仕事で大変な目にあっても、妻さんがこんなに面白い漫画にしてくれる。
人生捨てたもんじゃないっすね。勇気もらいました、ありがとうございます。

◆現代ビジネス編集長
「誰も見たことのない世界を読者に提示する」ことがノンフィクションの役割であるなら、「ゴミ収集の世界」を描いた本作は、極めて優れたノンフィクション作品だ。
われわれが「ゴミ」とひと言で片付けてしまうそれらの物体の裏側に、かくも芳醇な(そして時に甘酸っぱい)物語があることを、本作を通じてぜひ感じてほしい。

◆Palcy編集長
売れているマンガで面白くないマンガはない。でも売れていないマンガにも面白いマンガはいっぱいある。芸人さんも、売れている芸人さんはみんな面白いけれど、無名の芸人さんにも面白い人はいっぱいいる。マンガも芸も創作物すべてにゴミはありません。この作品はゴミをについての漫画です。何をゴミにするのか、ゴミの中から宝物を見つけるのか、はあなた次第。Palcyの読者に、未来のヒットをいち早く伝えられるのは、とても幸せです。この漫画は、日常から、仲間から、そして大切な家族から、人生という宝物を見つける「愛の物語」です。絶対最後まで読んでほしいマンガです!

◆マガポケ編集長
どんな人にも日常はあって、どんな日常にも楽しみや発見はある。けど、それを他人に伝えることは、実はけっこう難しい。
表現者として過ごした滝沢さんの20年間がこの漫画の面白さを支えているのは間違いなくて、何よりもその事実に勇気づけられました。


売れない芸人・マシンガンズの滝沢は家族を養うためにゴミ清掃員に。何気ない暮らしの中で見つけた。面白くてためになるゴミ知識と消費税分くらいの小さな幸せをお届けします。

レビュアー

兎村彩野 イメージ
兎村彩野

AYANO USAMURA Illustrator / Art Director 1980年東京生まれ、北海道育ち。高校在学中にプロのイラストレーターとして活動を開始、17歳でフリーランスになる。万年筆で絵を描くのが得意。本が好き。

https://twitter.com/to2kaku

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