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忍者が暗躍するパラレルワールドの現代日本マジでヤバい『アンダーニンジャ』

アンダーニンジャ(1)
(著:花沢 健吾)
2019.03.23
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隙なし、文句なし

どこを切り取っても「カーッ」と唸りたくなるマンガだ。これを好きになる友達の顔が山盛り浮かぶ。



『アンダーニンジャ』のことをツイートできる文字数で言うと「忍者が暗躍するパラレルワールドの現代日本マジでヤバい」って話で、この日本に今すぐ行きたい。だって忍者が約20万人ですよ? この規模感じゃなきゃ出ない不穏さと色気で1冊みっちり。

手応えのあるニンジャワールド

『アンダーニンジャ』の世界の忍者たちの現代史を紐解くと、戦後のGHQが出てきます。




「一部の親米派の忍者」って単語にニヤッとなる。



「現代に忍者がおりまして」と言葉だけで考えるとだいぶ荒唐無稽なのに、こうして読むと「あ、これは忍者いるわ」という気持ちになる。忍者の世界的な活躍は以下のように描かれる。



紛争地帯の特殊部隊員すら「俺らの出る幕なし」。アツい。……でも、ここまでのお話はスターターなんですよね。(お通しがとんでもなく美味しい居酒屋を想像してほしい)

ここからが本題です。主人公はそんな現代日本を生きる忍者のうちの1人、"雲隠九郎"。



彼、無茶苦茶ヒマなんですよ。忍者は20万人もいるので紛争地域で大活躍するような“キャリア(中忍以上)”と呼ばれるエリート忍者だけでなく、なんにも活躍させてもらえない末端の“ノンキャリ(下忍)”も存在するんですね。雲隠はまさにノンキャリ忍者で、4畳のアパートでゴロゴロ。



そんな雲隠に任務が与えられることに。ノンキャリというかニート終了の予感。



忍者は007じゃないので「自分に与えられた仕事が何であるか」を探るところからオペレーションは始まります。

忍者だーっ! この忍者めっちゃ近所のコンビニにいそう。

すべてが音もなく進む

雲隠くんが任務に向けて始動するのと並行して、彼の半径数キロの世界で不穏な出来事が起こり始めます。



忍者に憧れ来日した謎の外国人。



この「どこにでもいる」かつ「誰もわからない」忍者の世界が、真夏の現代日本でジリジリ始まるわけです。わかりやすい敵はいない(見えない)けど……


ヤバい。



この忍者たち毎朝JR乗って通勤してそう。日常と地続きなのが楽しい。

そして、忍者をめぐる大きな物語のすぐ隣では、雲隠くんのご近所さんたちの謎トラブルも展開される。



こっちはこっちで大変なんだよなあ……。ただの下着ドロボー事案をこえてて目が離せない。

以上のように、日本中が静かに不穏で、近いうちに必ず大ごとになりそうな要素が詰まっている。でもなんか無性にワクワクするんですよ。



刀や手裏剣だけじゃない忍者の現代戦、めっちゃ見たい。(雲隠くんの服装も言動も気になる)で、気が早すぎるんですけど2巻は夏頃出る予定なので、正座して待ってます。

特設ページはこちら⇒https://yanmaga.jp/c/underninja/

  • 電子あり
『アンダーニンジャ(1)』書影
著:花沢 健吾

かつて栄華を誇った日本の忍者たちは、戦後GHQによって組織を解体させられ消滅した。しかし、実は今でも忍者は秘密裏に存在しており、その数は20万人とも言われている。そして一部の精鋭忍者は国家レベルの争いごとの裏で暗躍していた。一方で、末端の忍者は仕事にありつけないことも多く、その1人・雲隠九郎もニート同然の暮らしをしていた。しかし、そんな九郎のもとについに重大な「忍務」が……!

レビュアー

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花森リド

元ゲームプランナーのライター。旅行とランジェリーとaiboを最優先に生活しています。

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