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ヒロインよりもモブキャラが好きなの!? 学園ラブコメ3選!

講談社ラノベ文庫12月刊のラインナップを一挙ご紹介! 校了を担当のここだけ秘密コメント付き!

イノヤス

講談社ラノベ文庫編集長(であるらしい)。月刊少年マガジンに約20年在籍後ラノベ文庫へ異動し現在に到る。頭の中身は自称永遠の17歳だが頭の外側は……!?という、ドラえもんのいないのび太、みたいな感じのお っさん。編集者としてのモットーは「相手の技は必ず受けろ!」、身につけたい能力は「速読」、異世界に行ったら「蕎麦屋」をやりたい。一度言ってみたい台詞は「どうしたんだ、顔が赤いぞ。熱でもあるのか!?」

大ちゃん

講談社ラノベ文庫編集部校了担当者。またの名を金剛寺大三郎。軍手とガムテと段ボールが似合うナイス・ガイ。講談社ラノベ文庫の新刊を責任持って校了してますが、やたらフセンをいっぱい貼って返してくるので うっとおしいみたい。「笑ったとこにいちいち『(笑)』っていうフセン貼ってくんの、どうなんすか」(編集部員・談)

2018.12.07
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ミステリ系ラノベ? ラノベ風ミステリ? どっちでもいいじゃない!!

『姫ゴトノ色 ―The Eyes of Blood―』書影
著:界達 かたる イラスト:西條 ハルキ
イノヤスコメント

ラノベの世界にやってきてから長いこと経つので、ぜんぜん関係ない人に「ラノベってなに? ◯◯はラノベなの?」みたいなことをよく尋ねられます。業界のこれからのため、理解者を増やす意味でもできる限りきちんと回答しているつもりなのです。個人的には「作品を語るときに著者名が一番先にでてくるのは文芸、作品名とキャラ名が先に出てくるのがラノベ」というくくりを一番に採用しているのですが、そうはいっても最近はなろう系からキャラ文芸やら、ラノベの価値観みたいなものを広く敷衍(ふえん)したようなジャンル分けをせざるを得ないシリーズがとても多くなって、何がラノベで、何がラノベでないか……といった区分けがもはや意味が無くなっているような、一般文芸ですらラノベに近づいている、そんな気もするこの頃です。というわけで、これからは「ラノベだと思ったらラノベで、思わなかったらラノベじゃない」くらいにカジュアルな分け方を提唱する以外にないのではと真剣に考えている今日この頃であります。

というわけで本題ですが、当作品は第7回チャレンジカップの優秀賞受賞作……でありますが、一読して「あれ、こんなお話だったかな?」と思ってしまいました。それもそのはずあとがきを参照するに「大幅な改稿」を行ったとのこと……そうかあの作品だったかとすぐに思い出せました。若干血みどろイメージと「謎」にせまる部分があるという、その昔のラノベではよくあったようにも思われますが、現在では数が少なくなったような「ミステリ」よりのテイストの作品となっております。それはそれ、可愛い女子満載の良さもありつつ、「本来ラノベって《なんでもあり》だからこそ発展してきたんだよなあ」と大いなる歴史を振り返りつつ、作品の根幹であるところの謎の正体にはきちんと惹(ひ)かれていくことができてすっかり大満足なのであります。そう、ラノベは本来、なんでもありが大正義……ちなみにかの◯撃文庫は自らを《ラノベ》と名乗ったことはないそうであります。

ずっと団員でいたい! いい日旅立ち。山口百恵

『それでも僕は、モブキャラが好き2』書影
著:氷高 悠 イラスト:師走 ほりお
大ちゃんコメント

どーも、金剛寺モブ三郎です。モブモブしいです。やれ外様だ、圏外だ、ほっといたほうがいいだ、歩く治外法権だ、音羽の菅田将暉だ(そんなことは言われてない)と、いろいろあれな私ですが、王道キャラ小説の第2弾のご紹介です。もう全キャラが立ってます! 座ってるシーンなんかありません。そういう意味ではありません。…………あー、疲れてんな。キ○―レオピン飲んだんだけどな。

さあ、本作の登場人物たち!!
・現役女子高生プロ漫画家
・現役女子高生声優
・残念系お嬢様
・人情系白ギャル
・モブ女子

以上の主要5人だけでも見事にキャラクターがくっきりしてまして、高校の部室でごろごろしてるだけでもすんげえいい感じ。効いてきたかキ○―レオピン! そんなあんばい。お話の展開にからんでくんのが、サークル内派閥(?)、学園祭、キャンプファイヤー、卒業、漫画家のアシスタントetc. いやあ、どうにでも話題がふくらみますよ、ええ。特に最後のやつ。大ちゃん、校了しながら、大昔にいろいろあった漫画家のアシさんたちの顔を思い出してしまいました。デスクトップ・マシンが発達した現在はどんなんだかよく知りませんが、昔はさあ、アシの貸し借りとか、新人を修行させるとか、流しのプロ・アシさんとか、ひでえときは深夜にスクリーントーンが足りなくなって、関係ないとこにアシに行ってた新人さんに持ってこさせたりして。長いこと他社でチーフ格のプロ・アシだった人に呼び出されて「田舎に帰ることにしました」って言われて西武線の改札で握手して別れたときは目からキ○―レオピンが流れてきました。スタイリストのアシさんとかカメラマンのアシさんとか、当時はモブ・キャラみたく見えていたかもしれません。いま人生を振り返れば、自分のほうがよっぽどモブ野郎だよ。

お祭りにいったことないなあ……あっ海もだ。

『こいつらの正体が女だと俺だけが知っている3』書影
著:猫又 ぬこ イラスト:伍長
イノヤスコメント

夏の海に繰り出す、お祭りの縁日であんずあめとかチョコばななをあーんして射的に勤しむ……ラノベ世界のいい意味でのお約束としての大定番であるところのこれらのイベント(あとは臨海学校と花火で2巻はつくれるな)ですが……振り返ってみると経験したことないじゃんかorzということをいまさら自覚させられてがっくりしているおじさんでございます。海水浴、浜辺……そうだなあまずは目が悪いので、海でメガネ外すとなんもみえないのでちっとも楽しくないんだなこれが(きれいなお姉ちゃんのみなさんのあれやこれやがちらみえするとまっすぐ歩けなくなるかもしれんけど)でもって男子校で海なし県出身だし。海とお祭り、そういえば女子といったのは「ときメモ」ワールドの中だけだったかもしれない……またまたがっくりであります(いやときメモ世界のなかであっても楽しかったよ、ホント!!)

というわけでして本題ですが、無理ゲー的な難題を抱えつつも密かなイチャラブに挑む当作品もいよいよ3巻に突入です。冒頭で語ったような「海」「縁日」での楽しいはずだけど、2人の親友というかヒロインのヒミツを守らんとする主人公の竜之介くん、今回も本当にご苦労様でありますが、なんだかんだで楽しそうでもあります。定番イベントを苦しくも楽しくこなしているキャラのみなさんを追いつつ、報われなかった自らの過去をそれはそれとしておいとくことができる、これもまたラノベ世界の良さなんだなと実感しているところです……ヒロインズとは別に、天然?なのかただのいいコなのか不明ですが、桜小路さんが気になってきております。彼女にもフォーカスがあたったらなあと思いつつコミカライズも始まるので期待してますよー!!

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