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【声がよくなる】滑舌や話し方のコンプレックスを解消する「舌力」とは?

2018.05.28
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普通にしているつもりなのに、なぜ……? 子供の頃から普通に話しているつもりなのに「機嫌悪いの?」と言われることがコンプレックスでした。特に、電話の声が顕著で、普通に「もしもし」と出ただけで「寝てた?」「怒ってる?」と言われてしまったり……。声が低いのがダメなのかと思っていたのですが、どうやらそれは違ったようです。この本の第7章に長年の私のコンプレックスに対する答えが書いてありました。

それは、「日本語とはこういう音だ」という脳の間違った認識によるものかもしれないということ。声の感じ良さを決定づけるのは“抑揚”、別名イントネーションだというのです。抑揚に欠ける話し方をしているせいで、相手に不快感を与えてしまっているなんて、これまで誰にも教えてもらえる機会がありませんでした。しかも、残念なことにそれは生後間もない頃にすでに決まってしまっているのだとか。

以下に心当たりはありますか?

・両親のどちらかが感情の入らないしゃべり方をしていた
・両親の仲が悪く、不機嫌な会話を聞かされていた
・両親が忙しく、祖父母が面倒を見てくれていた

脳が学習するしくみを研究しているある先生によると、赤ちゃんは、生後6~8ヵ月くらいまでの間に、母国語の特性を、細かい音まで、頭の中で統計的に処理をしながら聞き取っているのだそうです

赤ちゃんのときに、「揺らぎ」のない平坦なしゃべり方の大人が周囲にいると、日本語とはそういうものだと認識して育ってしまう傾向があるそうです。年齢とともに声の高低を作るエネルギーは減っていくので、年配の祖母に育てられた赤ちゃんは、抑揚の少ない話し方が正しい日本語だと認識してしまう可能性があるのだとか……。

確かに、私の場合も両親は共働きで同居の祖父母に育てられ、夜も両親ではなく祖父母と寝ていたほどのおばあちゃん子だったのでバッチリ当てはまっていました。

声の感じの良さを決めるのは抑揚に含まれる「揺らぎ」。ここでの揺らぎとは、声に含まれる情報量なのです。同じ文章を話しても、その話し方に含まれる抑揚の違いで、表現力や受け手の感じる印象は全く異なるものになってしまうのだとか。抑揚の仕方を"間違って"覚えていたせいで、初対面の人に感じ悪く思われていて友達を増やすチャンスを逃していたかもしれないなんて……。

ちなみにアクセントと抑揚は一緒だと誤解されがちですが、「橋」と「箸」のように単語のなかで高くする音と低くする音をしっかり正しい位置で発音するもので、抑揚は全体の流れの中で上下があるもの、とイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。

そして、抑揚の中には「揺らぎ」が含まれています。カラオケ番組の採点で「こぶし」や「ビブラート」が上手さの基準に加筆点として計算されることは多いですが、この、肌感覚で伝わる「揺らぎ」が人に与える影響を普段の会話においても意識することで「話し方の感じ良さ」が違うということを知っている人はめったにいないのではないでしょうか。

「揺らぎ」に含まれるのは、“声の表情”とも言えると思います。表情のコントロールは大事で、「笑顔で接したら感じが良い、心を開いているサインである」というのは学校でも学べることですが、声の表情の表し方を教わる機会は残念ながらそうそうありません。どうすれば感じが良くなるのかを分からずに一生を終えてしまう……これって本当はものすごく恐ろしいことではないかと思います。学生時代の人間関係から、大人になって就職や転職の面接、そして恋愛関係においてもずっと"話し方の感じ悪さ"はつきまとうのですから。

残念ながら今の日本では、話し方の感じ悪さはあくまでも本人の問題とされており、努力である程度のレベルに至るようにどうにかするか、生まれ持った性質でしかないので諦めるかの二択しかないように思います。

ところが、著者はその問題を科学的に解決させる方法に迫りました。

声の出し方、というと喉に意識が行く人がほとんどではないでしょうか。本書は、あらゆるアプローチで「声を良くする」ことに徹底的に向き合っている本です。そして、滑舌をよくするためには「舌」や口の動かし方が重要であるということを提唱しています。

普段私たちが全く意識していないであろう「舌の位置」、「歯並び」「鼻が曲がっている」「呼吸の仕方」などにとことん切り込んでいき、「私の滑舌の悪さ、話し方に自信がなかったのはこのせいだったのか!」と気づきを与えてくれます。また、ストローを使った鍛え方など具体的な改善方法が載っており、「私、初対面の人に勝手に嫌われてしまう状況を抜け出せるかもしれない」と思える、希望をもらえる本でした。

できれば子供の頃に知りたかった!という内容も多いのですが、一方で今からでも改善できる具体的な方法が載っている1冊でもあります。お子さんがいる方や、今現在の自分の声にコンプレックスがある方は、ぜひ手にとってみてください。

  • 電子あり
『日本人のための声がよくなる「舌力」のつくり方 声のプロが教える正しい「舌の強化法」』書影
著:篠原 さなえ

声のコンプレックス解消のために、誰も教えながった、誰もが知っておくべきこと。
滑舌が悪い、よく聞き返される、よい印象を持たれない……。誰もが抱えている声の悩みの原因は「舌」にあった! 日本語を話すために必要な舌の筋力=「舌力」の不足が、声を、さらには「ポカン口」「低位舌」「前位舌」「顎の変形」などを引き起こして、呼吸・姿勢・見た目・運動能力から知的活動にまで悪影響を与えている。長年、「声の理論」を追究する著者が『「魅せる声」のつくり方』で発表した3大理論をさらに進化させ、すべての日本人に勧める「舌力トレーニング」。将来ある子供たちよ、未来を変えたい大人たちよ、さあ、舌を鍛えよう!

レビュアー

上岡史奈 イメージ
上岡史奈

20代のころは探偵業と飲食業に従事し、男女問題を見続けてきました。現在は女性向け媒体を中心に恋愛コラム、男性向け媒体では車のコラム、ワインの話などを書いています。ソムリエ資格持ちでお酒全般大好きなのですが、花粉症に備えて減酒&白砂糖抜き生活実践中。

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