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講談社社員 人生の1冊【65】これ以上の言葉が見つからない、いい本『だいじょうぶ だいじょうぶ』
(著:いとう ひろし)
西巻浩二 広告第二部 30代 男
泣きました
子どものころ、母親が時々「最近、涙もろくなって」と言っていました。大人になるとむしろ泣き虫になるのかと、幼いながらも不思議に思ったことを覚えています。
30歳を過ぎた今、「なるほど、こういうことか」と感じるようになりました。映画やドラマを見ていても、小説を読んでいても、音楽を聴いていても、ちょっとしたことですぐに涙がこぼれてきます。感動ドキュメンタリー番組なんぞ見ようものなら、タオルが手放せなくなることもしばしば。年齢とともに涙腺が緩むのであれば、30代でこうなのだから、40歳の時にはどうなっているのか今から少し心配ではあります。
そんな私が今までに泣かされたモノの中で最も忘れられないのが今回ご紹介する『だいじょうぶ だいじょうぶ』という絵本です。最近涙もろいとはいえ、さすがに絵本を読んで泣いてしまうとは思いもよりませんでしたが、見事に泣かされてしまいました。
出版社に勤務しているので、それなりに本は読んできたつもりです。記憶に残る忘れられない1冊も沢山ありましたが、その中でも「この1冊」を選んでくれと言われたら、迷うことなくこの『だいじょうぶ だいじょうぶ』を選びます。実際、今回もまったく迷いませんでした。
絵本ですから2分もあれば読めます。ですから、興味があるかたはぜひ一度読んでみてください。読んでいただければこの本の良さをわかっていただけるはずです。感じ方は人それぞれですので感想は様々あるかとは思いますが、それでもきっと皆さん同じ感想をもたれると思います。「この本はいい本だ!」と。
そう、いい本なんです!
本を紹介するにあたって、こんな曖昧な表現で片付けるのは適切ではないのかもしれませんが、これ以上の言葉が見つからないほど「いい本」なんです。最終ページの最後の一言を読み終えたあと、温かい気持ちに包まれながら心の底から「読んでよかった」と思いました。以来、誰かにオススメの本を聞かれた時は必ずこの本を紹介しています。もっと多くの人に知らせたいなと思いましたし、もし自分に子どもが生まれたら必ず読ませようと思いました。
ということで、この素晴らしい絵本が私の「この1冊」です。
- 電子あり
小さかったころの ぼくを いつも たすけてくれたのは
おじいちゃんの ことばだった。
心配しなくても「だいじょうぶ」。無理しなくても「だいじょうぶ」。それは、おじいちゃんのやさしいおまじない。 子どもたちのしなやかな強さを育むのはもちろん、すこし疲れた大人にも前を向く力を与えてくれる絵本。
日本図書館協会選定図書/講談社出版文化賞絵本賞
執筆した社員
西巻浩二【広告第二部 30代 男】
※所属部署・年代は執筆当時のものです
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