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昼ドラ好き大絶賛!『やんごとなき一族』に嫁いだ庶民妻のドロドロ日記

やんごとなき一族(1)
(著:こやま ゆかり)
2018.02.28
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昼ドラがこんなに似合いそうな作品もなかなかないわ。

等身大の女性がドロドロの人間関係に巻き込まれていく様に目が離せなくなる描写といえば、こやまゆかり先生。『ホリデイラブ』の原作者でもあるのよ。読んでいる途中で、どちらもこやま先生だと気づいて、なるほど惹(ひ)きつけられるわけだわと納得しちゃったわ。

「やんごとなき」=高貴な、ただならぬ、の意味。ざっくり言うと、貧しい家庭に育った主人公がプロポーズされた相手の家庭がとんでもないお金持ち、超上流階級だった……! というお話。

「お金ならあればあるだけいいじゃない、羨ましい!!」
「私も大富豪の玉の輿(こし)に乗りたい!!」
……って単純な話じゃないのはオトナのみなさんならわかるわよね。

「身の丈に合った結婚をしなさい」と母に言われて育った私。主人公に近い貧しい幼少時代を過ごしたわ……。金銭感覚や生活様式が違いすぎる人間関係が難しいことは容易に想像できる。

友達でも難しいわよね。それが結婚相手となったら……。ほとんどは縁がなく自然に離れるだろうし、そうでなくても自分から諦めて離れるかもしれない……。



この漫画を読んでまず真っ先に「やんごとない」を流行語にしたいと思った私。古風な響きがたまらない。

でも思い出した。「やんごとねえ!?」は数年前に既にトータルテンボスがネタにしていました。残念。いや、またこれを機に復活しないだろうか。もしくはIKKOさんが「やんごとなし!?」と言うのもいいわね。非常にしっくり。

以降、IKKOさんの声で勝手に脳内再生しながらあらすじを紹介するわ。

父を亡くし母と2人で大衆食堂を営む篠原佐都(さと)。借金を返しながらの生活は苦しいが、気丈に明るく暮らしていた。

そんなある日、交際中の深山健太からプロポーズを受ける。健太の家は超高級住宅地・芦屋の旧家で、家族で不動産経営をし社会的地位の高い人ばかりの家系であるとは聞いていた。やんごとなし!?

でも、純朴で庶民的な健太なら大丈夫だと思ってプロポーズを快諾。しかし訪問してみた健太の家は、まるで宮殿……!! 豪邸通り越して宮殿よ! やんごとなし!?

そこでなんと健太の父から門を閉め出され、「自分の身の程を知れ」と一蹴される。

蔑(さげす)まれ、プライドを傷つけられ、健太との別れが脳裏をよぎる佐都だったが、「あの場所(佐都の店)だけがオレの家庭だった」と言う健太とはやっぱり離れられない。深山家と縁を切るように、2人は強引に入籍しちゃったのよ。


そりゃお義父さんはブチギレ(笑)。
どういう行動に出るのかしら……!? 恨まれていないかしら……!?と思いきや、なんと深山家は健太と佐都を花見会に招待してきたの。何の魂胆があるのかしら。逆に怖いわ。

花見会……それは毎年桜の季節に、健太の家の庭で開かれる盛大なパーティー。親族、政治家、財界人、マスコミが数百人集まり、深山家の力を世間にアピールするというもの。やんごとなし!?

でも逆境が出現するたびに、佐都の芯の強さも現れてくるわ。このパーティーに参加して、嫁として認められたいと。強い。

それと同時に、深山家の泥沼のような人間関係も一気に露わになるのよ!
誰よりも怖いのは長男明人の嫁、美保子。元々は健太を狙っていたけど彼女がいるようだからと諦め、結婚相手は長男の明人で「手を打った」のに(どんだけ上から目線)、明人は気が弱く、義父が「明人なんか頼りにならん、私の後を任せるのは健太だ」と言っているのを聞いてしまう。



健太だけでなく社長婦人の座まで奪われるなんて許せない……!! ゴゴゴゴ……!!

嫉妬に荒れ狂う美保子は、佐都に何を仕掛けてくるのか!?
こんなに敵意と悪意が渦巻いていて、何も起こらないわけがないわ。ああ怖い怖い。

三男の大介とリツコ夫婦もクセがあるわよ。無駄にゴージャスというかチャラいというか。

そして花見の席で早速、佐都は着物の柄のことで客品の前で恥をかき、美保子とリツコは大喧嘩を始め、義父は「健太と佐都を母屋の隣に住まわせる(=跡取りは明人ではなく健太)」と宣言。

何から突っ込んでいいのかわからないくらい、1巻から怒涛の展開。華やかに見えていたのは表面だけで、内部は問題だらけの深山家。

その空中分解しかかっている深山家を変えていこう、ひとつにしようと決意する佐都……! その強さはどこからやってくるの!

さあ、華麗かつ闇深い上流階級社会のお話は始まったばかり。この困難を元庶民の佐都がどうやって乗り越えていくのか目が離せない。

それでもあなたはまだ玉の輿に乗りたい? 庶民のままがいい? 佐都は現代のシンデレラになれるのかしら。
ドキドキが止まらないわ。

【マダム草影の、勝手にキャストを考えちゃうコーナー】

映画、ドラマ、舞台が大好きな私。漫画や小説を読むと「ドラマ化、映画化したらこの役は誰かしら?」と妄想するのが趣味なの。
この漫画は脳内で映像化しやすかったわ! 
自分なりにかなりしっくりくるキャストが思いついたわよ。

主人公の佐都は、吉岡里帆ちゃんか松岡茉優ちゃん。かわいいけど芯の強さが感じられるのがポイント。
健太、岡田将生くん。三浦春馬くんと迷ったわ。おぼっちゃまの雰囲気を出しつつ、聡明さも持ち合わせている。

義父は北大路欣也さんしかいないでしょう(笑)。誰より先に決まったわ。一択。
優しくて木の弱そうな義母は竹下景子さん。

祖母は野際陽子さん……がお亡くなりになってしまったので吉行和子さんかしら。

長男の明人は田中圭さん。嫁の美保子は北川景子さん。この二人にも自信ありだわ。

三男の大介は手越祐也さん。嫁のリツコは広瀬アリスさん。

春菜おばさんは高畑淳子さんか戸田恵子さんで迷うわ。 

お金がかかってかかって大変そうなキャストになってしまったわ(笑)。
昼ドラでは実現不可なので、ぜひゴールデンでお頼み申し上げます!!

  • 電子あり
『やんごとなき一族(1)』書影
著:こやま ゆかり

一般庶民の娘・佐都は恋人の健太からプロポーズされる。健太は芦屋家の富豪・深山家の次男なのだが、佐都は庶民的な健太に親近感を持っていた。しかし健太に連れられていった深山家は佐都の想像を絶する大邸宅だった。厳格な父・圭一により佐都は門前払いにあう。2人は駆け落ち同然で入籍するが……。

レビュアー

マダム草影

占い鑑定士、ヒーラー歴15年。鑑定してきた人数は1万人を超える。漫画と映画と舞台をこよなく愛する○5歳。

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