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「断捨離」「ミニマリスト」の本尊──100年前の仏米ベストセラーに学ぶ

簡素な生き方
(著:シャルル・ヴァグネル)
2018.01.29
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私たちは複雑な時代を生きている。膨大な情報が入り乱れ、多様な価値観が混在する世界で生きていかねばならなくなっているのだ。変化が激しく流れの見えない現代社会では、本来の人間らしさを取り戻すことは容易ではなく、自分の感性や生き方すら意識的にコントロールする必要がある。たとえば、必要最低限のものしかもたない「ミニマリスト」や、ものへの執着を捨てる「断捨離」、さらには都会から地方へ移り住む「地方移住」が流行していることがそれを物語っていると言えよう。これらの根底に共通してあるのは、余計なものを手放すという思想である。幸せに生きるために必要なのは、何かを手に入れることではなく、本当に必要なものを大切にすることではないのか、と、人々は思いはじめているように見える。

本書は、1895年にフランスで刊行され、欧米でミリオン・セラーとなった“La vie simple”の邦訳である。当時、欧米では、産業革命後の工業化が進み、人々は物質的に豊かになる一方で、貧富の差が激しくなっていった。社会が一段と複雑化するなかで、著者は、真の人間らしさは「簡素な生き方」や「簡素な精神」にあると述べる。そして、野心や傲慢、エゴイズム、虚栄心などの悪しきものを捨て、「善良であれ」と説く。

著者の主張は、時代や国を超えて、現代の日本社会の人々のムードにぴたりと一致している。ワンクリックで欲しいものはなんでも手に入るこの時代だからこそ、「良く生きる」というテーマは一考の価値がある。

目次

  1. 複雑な生き方
  2. 簡素な精神
  3. 簡素な考え方
  4. 簡素な言葉
  5. 単純な義務
  6. 簡素な欲求
  7. 簡素な楽しみ
  8. お金と簡素
  9. 名声と簡素
  10. 簡素な家庭
  11. 簡素な美しさ
  12. 簡素な社会
  13. 簡素のための教育
表紙画像

今読み直す、「うつくしい道徳」とは。La Vie Simple

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著者紹介:シャルル・ヴァグネル

フランスの教育家、宗教家。1852~1918年。プロテスタントの牧師を経て「たましいの故郷」という寺院を創立。社会教育、初等教育の発展に貢献。近代フランス初等教育を宗教から独立させ、無月謝の義務教育として確立させた。著書に『正義』『青春』『剛毅』『生きるすべを学ぶために』など。

  • 電子あり
『簡素な生き方』書影
著:シャルル・ヴァグネル

100年前にフランスで生まれ、アメリカで100万部を突破した「うつくしい道徳」が、よみがえる。
心を正す、簡素な生活とは? 精神の在り方とは? 人との接し方とは?
今こそ読み直したい、心を正し、簡素に生きるための指針。
フランス・シンプル思考の源流。

○簡素の精神
簡素の本質とは、質素な服、住まい、ほどほどの暮らし、貧乏を指すのではない。
簡素な生活とはシンプルな暮らしではなく、あるがままの自分でいること。
人間の理想は、生活を生活そのものより偉大な宝物に変えること。

○簡素な言葉
新聞をうのみにするな。記者は相食む蛇であり、仲間内で競争をしている。
事実ではなく利益になることを言う人の、単純化された話を信じてはいけない。
美しい言葉は着飾った奉公人のようなもので、奉公人本来の役目を果たさない。

○簡素な義務
偉業に挑んで失敗した時ではなく、単純な義務を怠けたとき、人は魂を失う。
破産して「何一つ失うものはない」というときは、手元に残った破片を拾うこと。
窓ガラスが割れた時、犯人が見つかるまで割れたままにしておくのは愚かなこと。

○簡素な楽しみ
戦場で一瞬、歌を口ずさむ兵士がいるように、困難のさなかにも喜びは見つかる。
喜劇を見て評論する知識人より、大笑いする庶民のほうが、楽しむことの達人。
悲しむ人に合わせて悲しい顔を作るより、その人が一粒の楽しみを見つける手伝いをせよ。

……このほか、思想、欲求、ビジネス、人間関係、家庭、センスについて、いかに簡素であるべきかを提示。

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