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『うちの子はADHD』を読んでショック──自分も病院で検査した結果は?

うちの子はADHD 反抗期で超たいへん!
(著:かなしろにゃんこ。 監:田中 康雄)
2017.11.18
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発達障害のご子息リュウ太君がいる漫画家「かなしろにゃんこ。」先生。彼女が自身の体験をもとにリュウ太君のようすを描いた漫画「うちの子はADHD」(監修:田中 康雄)を読んで、正直、ショックを受けた。冒頭でADHD特有の行動パターンが説明されているのだが「これ私のことじゃん!」と思えるものばかりだったからだ。


社会生活が困難な人も

表紙画像

思春期をむかえた発達障害(ADHD)の息子。子育てはいったいどーする!? 漫画家ママのドタバタ「体験コミックエッセイ」。

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ADHDとは脳機能の発達に関する障害で、性格だけでは説明ができない、健常者にとって不可解な行動をとることで知られている。障害ではなく単に「ダメな性格」として見られ、社会生活が困難なまま生き続けている人もいるといわれている。ちなみに、リュウ太君は以下のような行動をとっていたとのこと。

──リュウ太君の行動(書籍を参照)
衝動的に行動する
授業中に勝手に教室から出る
落ち着きがなくじっとしていられない
自己主張が激しく融通が利かない
熱中しすぎて体調が悪くなっても気が付かない
急なルール変更は気持ちの整理ができなくてパニックになる
忘れ物や無くし物は日常茶飯事


性格がダメだったのではない!

いやー、驚いた。すべてではないが、大半が自分にピッタリとあてはまったからだ。ほとんどリュウ太君と同じ! も、も、もしかして私もADHD!? 確かに自分がADHDだと考えれば、いままで何度注意されても直らなかった「自分のダメさ」が理解できる! 性格がダメだったのではなく、どうにもコントロールできないことだったのかも!?

いてもたってもいられなくなった私は、さっそく病院へ(異常なほどせっかちなのもADHDの影響か!?)。とある超有名な心療内科に行ったところ、医師の通常診察と、臨床心理士の心理検査のふたつを受けることになったのだが、「大人のADHD」という言葉が一般化された時期から心理検査依頼が殺到しており、3~4ヵ月待ちとのこと。けっこう「ADHDっぽいかも?」ということに悩んでいる人は多いことが判明。とりあえず通常診察を受けた。


ADHDの可能性を探る、血液検査と光トポグラフィー

とりあえず問診では、どんな部分に悩んでいるのか、どうしたいのかなど、細かく悩み事を聞かれた。カウンセリングとは違うが、この場では患者の言葉から症状を紐解くのが先生の仕事だろう。

「若いころから物忘れがひどくて?」「予定が入ると緊張して眠れなくなって?」などと、雑談に近い感じで話す。問診だけでは明確に障害かどうか判断しにくいので、血液検査と光トポグラフィーを受けることに。

光トポグラフィーとは、頭にピタッと複数のセンサーを貼り、近赤外光を用いて大脳皮質機能を調べるというもの。センサーを付けた状態でしりとりなどの簡単な言葉ゲームをし、そのときの血液の流れを調べ、データを計測。健常者パターンと比べて、うつやADHD、双極性障害などの可能性を探る。

ちなみに光トポグラフィーは保険適用外なので、10割負担。病院によるが、7000円かそれ以上するケースがある。ほかの医療に関しては3割負担だった。


ベッドに座りながら行う光トポグラフィー。簡単なしりとりをするのだが、緊張のせいか、なかなか言葉が思い浮かばない! これはゲームではなく計測なので、しりとりを正しくできるかどうかはそんなに問題ないらしいが、看護師に「バカなんだろうか」とか「アホなんだろうか」と思われてるんじゃないかと不安になる。そんな光トポグラフィーで数分しりとりにチャレンジしてみた結果……。


医師「血がどっかいっちゃってるね」

光トポグラフィーの計測結果は、グラフで表現され、プリントアウトして見せてくれる。医師は、3つのグラフパターンを見せてくれた。ひとつは健常者のパターン、もうひとつはうつ病患者のパターン、そして私のパターン。

その違いは明らかで、健常者パターンで数値がアップしている部分に対し、私の場合は数値がダウンしていた。健常者は思考で正しい部分に血液が流れるのに対し、私の場合は血液が流れるべき部分に流れていないという。「血がどっかいっちゃってるね!」との発言に「どこにいってるんですか?」と聞いたのだが、「わからない」とのこと。

簡単に言えば、私はみんなが考えている部分で考えていないことになる。先生に「計算して!」と言われたとき、みんなが電卓で計算をしているなか、私だけ夜空を見つめて星を数えているみたいな……感じか!? 違うか。



はたしてADHDだったのか?

これはADHDですか? との問いに医師は明言を避けたが、ADHDや双極性障害などの可能性がある人によくある計測パターンだという。明確にADHDなのかどうか、心理検査を受けなくてはわからないが、いまの生活に困っているなら、薬で落ち着きのなさや衝動などを抑えることは可能なのだとか。

つまり私は、ADHDかもしれないし、双極性障害かもしれないし、鬱病かもしれない!? これは個人的にもっと診察を進める必要がありそうだ。


自分を知ることができる1冊

私が病院に行くきっかけとなった漫画「うちの子はADHD」は、自分のADHDや鬱病を疑っている大人にこそ読んでほしい1冊だ。「私ってダメ人間なのかな」「何度やってもミスばかりする」という人にも強く推奨したい本である。

なぜなら、まだADHDという言葉が広く知られていない時代に、ADHDで苦しんでいた人が少なくないからだ。そういう人は大人になってもそのままのことがある。

これを読んで病院に行き、自分を知ることができた筆者のように、新しい道が開けるかもしれない。読んで「こんなことありえるんだー」「自分の事じゃないなー」と感じたなら一安心だし、漫画として楽しめる1冊となるだろう。

余談だが、血液検査は「コレステロール値が高いねー」と言われた。そこかい! それ以外は異常なしだったが、落ち込むわ……。

  • 電子あり
『うちの子はADHD 反抗期で超たいへん!』書影
著:かなしろにゃんこ。 監:田中 康雄

発達障害の息子が、思春期に突入! どーする、子育て!? 漫画家ママのドタバタ「体験コミックエッセイ」。
ADHD(注意欠如・多動症)とは……「不注意」「落ち着きのなさ」「衝動を止められない」などの特徴が出る発達障害の一種です。
こんな特性をもつ息子・リュウ太くんが、「むずかしい年頃」をむかえたから、さあ大変!

●中学校ではどう支援してもらう?
●ADHDのことを、本人や周囲にどうわかってもらう?
●クラスメートとの関係、大丈夫かしら!?
●「反抗→親子ゲンカ」の悪循環をどうしよう!?
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ケンカっ早く、忘れ物だらけ、「やりたい」と思ったら止められない。そしてついに、家のお金に手をつけて……。
問題だらけでも「かわいい我が子」に、親はどう向き合ってきたのか? 一気読み必至の傑作です。

思春期前までを描いた『漫画家ママの うちの子はADHD』(既刊)とともにお楽しみください!

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レビュアー

トップ・アンダーソン

とりあえずその場に行って確かめないと我慢できないフリージャーナリスト。南アフリカから北朝鮮まで、幅広く活動中。行った先に何もなくても、そこに思いを馳せらせる。

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