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切腹時の武士たちは、全力でビビって超カッコ悪かったのが真相?

土佐兵の勇敢な話
(著:中山 義秀 執筆:中山 日女子 解説:宮内 豊)
2017.11.26
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切腹せずにすんだ隊員の記述をわかりやすく書きなおした部分。まずくじ引きで20人切腹と決まり、しかしその光景のあまりの凄まじさにフランス側が11人目でギブアップ。11人は長らく英雄視され、その墓所は神域となり、祭りが自然と発生したそうで。今も祭りとして定着してたりするのかなと調べたところ、墓のある寺は今は幼稚園になり、土佐兵たちの命日には園児たちがお参りしているという、あったかエピソード的なものを知ることができました。(カラスヤ)
『土佐兵の勇敢な話』書影
著:中山 義秀 執筆:中山 日女子 解説:宮内 豊

武士道精神、サムライの倫理を多分に持って生きた中山義秀は、兵隊としても卑怯なことをせず正義に殉ずる主人公を設定し、父親としては自分の娘たちに対しても頑固一徹な、しかし本当は愛情あふるる父親を描き、歴史小説においては登場人物の苦悩する精神の内面よりも、人事に任せしかし人事を越える剛毅、爽快を好んだ。現代には稀になったある意味での良き日本人像を描く短編7篇を収録。

レビュアー

カラスヤサトシ イメージ
カラスヤサトシ

1973年生まれ。漫画家。著作に『カラスヤサトシ』『カラスヤサトシのおしゃれ歌留多』『強風記』『喪男の社会学入門』『毎日カラスヤサトシ』『オレは子を見て育とうと思う』『カラスヤサトシの世界スパイス紀行』『おとろし』『カラスヤサトシの孫子まるわかり』『カラスヤサトシの戦国散歩』など多数。近刊にこの連載「文庫で100年散歩」を収録した『カラスヤサトシの日本文学紀行』があります。


近況:今回で「文庫で100年散歩」はひとまず最終回となります、4年間ありがとうございました!

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