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【衝撃】シベリア強制労働者が“ボロ小屋を住めるようにした”方法とは?

シベリヤ物語
(著:長谷川 四郎)
2017.11.05
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キャベツの積み込み、炭鉱労働、レンガづくり、材木切り出し、公用トイレの掃除、凍てついたゴミの分別など、強制労働の具体的な内容が次々出てきます。素朴で親切なロシア人、そうでない人々との交流も。この「家にじっとしてるだけで、家が息を吹き返す」感覚は、護送しているロシア人の兵も共有していた描写がありました。昔は今より、ボロボロの家に引っ越す機会も多かったことでしょう、誰もが感じる、当たり前の感覚だったのでしょうか。(カラスヤ)

  • 電子あり
『シベリヤ物語』書影
著:長谷川 四郎

逃亡兵が闇の中で射殺され横たわる「小さな礼拝堂」。凍てつく酷寒の町に1人出されて道路掃除する「掃除人」。シベリヤの捕虜収容所体験をもつ作家の冷静な眼は、己れを凝視し、大仰な言挙げとは無縁の視座から出会った人々、兵士、ロシヤの民衆の生活を淡々と物語る。「舞踏会」「ナスンボ」「勲章」「犬殺し」等11篇により、人間の赤裸に生きる始原の姿を綴る現代戦争文学の名著。

レビュアー

カラスヤサトシ イメージ
カラスヤサトシ

1973年生まれ。漫画家。著作に『カラスヤサトシ』『カラスヤサトシのおしゃれ歌留多』『強風記』『喪男の社会学入門』『毎日カラスヤサトシ』『オレは子を見て育とうと思う』『カラスヤサトシの世界スパイス紀行』『おとろし』『カラスヤサトシの孫子まるわかり』『カラスヤサトシの戦国散歩』など多数。近刊にこの連載「文庫で100年散歩」を収録した『カラスヤサトシの日本文学紀行』があります。


近況:立派な飾り梯子をいただきました、さっそくこれまた頂き物の壺を飾っております。

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