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【名探偵ランキング】王道こそ最強「新本格ミステリ」が面白い!

2017.08.22
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1980年代後半と言えば冷戦体制の終焉、日本ではいわゆるバブル景気の中、消費税がはじめて導入されました。そんな時代にミステリ界に衝撃的な事件が起こりました。「新本格ミステリ」の誕生です。1987年『十角館の殺人』(島田荘司さんの推薦)でデビューの綾辻行人さんを嚆矢に歌野晶午さん、法月綸太郎さん、有栖川有栖さん、我孫子武丸さんたちが続々デビューしミステリ界に新風をもたらしたのです。ちなみに島田荘司さんは1981年に『占星術殺人事件』でデビューしていました。新本格ミステリの先駆者です。

≪新本格ミステリの孤島、密室、館編はこちら≫

新本格ミステリってなに?

新本格ミステリとは優れた探偵(役)の人物が“灰色の脳細胞(by エルキュール=ポアロ)”を駆使して不可解な謎を論理的に解き明かしていくものです。『十角館の殺人』にこうあります。

『ミステリにふさわしいのは、時代遅れと言われようが何だろうがやっぱりね、名探偵、大邸宅、怪しげな住人たち、血みどろの惨劇、不可能犯罪、破天荒な大トリック…絵空事で大いに結構。要はその世界の中で楽しめればいいのさ。ただし、あくまで知的に、ね』

名探偵が挑む謎、そこに仕掛けられたトリックを見破り、真犯人を突き止める迫力! これこそがミステリの<王道>! 『十角館の殺人』の誕生で始まったこの「新本格ミステリ」が、今年30周年を迎えます。それを記念して島田荘司さん、有栖川有栖さん、法月綸太郎さんの短編集、『十角館の殺人 限定愛蔵版』が、さらには講談社ノベルスと講談社タイガで3冊のアンソロジーが刊行されます。全点書き下ろしで、綾辻行人さんをはじめ19名の超豪華作家さんたちの作品が収録されています。お楽しみに! ここでは30周年を迎えさらに未来へ向けて動き出した、「新本格ミステリ」の魅力を、読者の声とともにご紹介します。

「新本格ミステリ」特設ページはこちら

名探偵登場

ミステリに欠かせないのは名探偵です。読者のみなさんに知っている名探偵をあげていただきました。

外国人第1位

やはりシャーロック・ホームズ

実に97.9%の人があげていました(認知度)。アーサー・コナン・ドイルが生んだイギリス人探偵です。事務所のあった(とされる)ベーカー街にはシャーロック・ホームズ博物館が作られ、観光名所になっています。ホームズものはなんども映画化、ドラマ化され、なかには現代を舞台にした作品もあります。60作品(長編4、短編56)に登場しています。魅力はなんといっても緻密な観察力と圧倒的な推理力! それと変幻自在な変装術です。

「卓越した推理力と、ふだんは人を食ったような性格なのにここぞというところで紳士な優しさを見せるところ」(40代・女)「クールな謎解きと、ワトソン博士との軽妙なやり取りが大好きです」(40代・女)

ワトソンとの関係も作品の魅力になっています。

外国人第2位

エルキュール・ポアロ

認知度87.8%。33の長編・54の短編・1つの戯曲に登場するベルギー人探偵です。魅力は推理だけではなく、ウィット(時には皮肉交じりの)会話に魅せられるファンも多いようです。

「会話と文章の運びがしゃれている」(50代・男)「『私はフランス人ではありません。ベルギー人です』と必ずいうところ」(50代・女)「おひげと洞察力とあのきめセリフ『灰色の脳細胞』が好き!! あと、ヘイスティングス大尉に話すときにちょこっと出てくるフランス語「ノン、ノン!!」とかがツボです!!!」(40代・女)

ヘイスティングスはホームズのワトソン役にもあたる、ポアロの相棒です。

日本人第1位

金田一耕助

認知度93.8%。ボサボサ髪が特徴の横溝正史が生んだ名探偵です。

「昭和初期の書生のようなスタイル、おどろおどろしい殺人事件、頭をガリガリかいて事件を解決してゆくストーリー展開が印象的」(60代・男)

映画・ドラマで石坂浩二、古谷一行、片岡鶴太郎や豊川悦司、上川隆也、稲垣吾郎さんたちが演じていました。どの金田一が印象に残っているのかで年齢がわかります。

「犯人がなぜその罪を犯すことになったかの経緯に同情し、罪は許さなくても犯人に優しいところ。事件を解決しても常にどこか切なさが残るところ」(50代・女)「真相を暴けばいいとは思っていないところ」(60代・女)というあたりが日本人好みのところでしょうか。「スーパーマンではない探偵というキャラクターの第一号」(50代・男)

という声もありました。等々力警部との軽妙なやりとりも人気の秘訣のようです。

日本人第2位

明智小五郎

知名度・認知度92%。『D坂の殺人事件』で初登場、江戸川乱歩が生み出しました。もちろん明智探偵も何度も映画化・ドラマ化されています。変装の名人というあたりはホームズの向こうを張っているのでしょうか。

「名探偵も恋をする!」(50代・男)

30代女性の「かっこいい」から始まって広い年代に知られた名探偵です。

「明智小五郎よりも少年探偵団小林少年の活躍に胸を躍らせた世代です。鞍馬天狗の杉作のように」(80代以上・男)

ここにあるように少年探偵団の小林少年と一緒に難事件に立ち向かった作品も数多くあります。

名探偵はここにあげた人たちだけではありません。今月、3人の名探偵を主人公にした短編集が3冊同時発売されました。

御手洗潔

「新本格」ミステリーの祖・島田荘司さんが生み出した名探偵。認知度92%。40代の男女に圧倒的な知名度を示しています。

「初めて読んだ『占星術殺人事件』での独特な行動全て、そしてそれを踏まえての『異邦の騎士』での行動に衝撃を受けたので」(40代女)「エキセントリックと論理性の同居しているところ」(40代・男)「変人だけど、鋭い推理力とさりげない優しさを兼ね備えているところで、さらに音楽にも精通していてギターも弾けるところ」(40代女)

もちろん難事件を解き明かす推理力は折り紙付きです。

「エキセントリックな言動に見えて、実は思慮深く天才的なところ」(40代・男)「権力に媚びない。物知り」(40代・男)

という点に惹かれる人が多いようです。

火村英生

有栖川有栖さんが生み出した臨床犯罪学者。幅広い年代の女性の支持が多く、認知度は60.5%。有栖川有栖(作中人物のアリス)との掛け合いに惹かれる人が多いようです。

「『人を殺したいと思ったことがあるから』犯罪者を追うというミステリアスさ、助手役であるアリスとの軽快なやり取りと犯人を追い詰める怜悧さのギャップ、猫好き可愛いです」(20代・女)

推理力を支える観察力と発想力、犯罪社会学という学問的な視点も相まって魅力的な人物です。

「ロジックの美しさと探偵以外の登場人物の人間造形」というのが魅力の核心です。(50代・女)

法月綸太郎

推理小説家・法月綸太郎さんが生んだ、探偵・法月綸太郎です。相棒(?)は父親の法月警視。

「推理の端正さが最大の魅力ですが、その性格もまた魅力です」(40代・男)

ふだんは社交的で楽観的な性格ながら、捜査となると一切の妥協を許さない。大いに悩み、ときにミスもあるが、あくまでも論理的な推理を積み重ね真相へと向かっていく強さをもっています。認知度は65.3%。

現在も大活躍している探偵は彼らだけではありません。『7人の名探偵』というアンソロジーが2017年9月6日に発売されます。著者は、新本格ミステリ作家が集結し、綾辻行人、歌野晶午、法月綸太郎、有栖川有栖、我孫子武丸、山口雅也、麻耶雄嵩さんたちです。探偵の個性を楽しんでください。きっとフィーリングのあう探偵が見つかります。

『名探偵傑作短篇集 御手洗潔篇』書影
著:島田 荘司 監修・解説:千街 晶之

本格ミステリの金字塔『占星術殺人事件』での登場以来、難事件をいくつも解決し、相棒・石岡和己とともに、愛されてきた名探偵・御手洗潔。その選りすぐりの短篇集。御手洗の人間的魅力にあふれた「数字錠」、「SILVAD SELIM」、シリーズ屈指の怪事件「山高帽のイカロス」他、全5篇を収録。

『名探偵傑作短篇集 火村英生篇』書影
著:有栖川 有栖 監修・解説:杉江 松恋

臨床犯罪学者・火村英生と助手・有栖川有栖のコンビが、美しく謎を解く、多彩な事件をちりばめた短篇集。火村と怪人物とも丁々発止の対決を描く「ジャバウォッキー」、犯人を論理的に割り出す本格ミステリの王道「スイス時計の謎」、誘拐事件の意外な顛末とは?「助教授の身代金」他、全6篇を収録。

『名探偵傑作短篇集 法月綸太郎篇』書影
著:法月 綸太郎 監修・解説:巽 昌章

新本格ミステリの牽引者・法月綸太郎が生んだ同名の探偵・法月綸太郎が型破りな謎に父・法月警視とともに挑む。その選りすぐりの短篇集。会心の鉄道ミステリ「背信の交点(シザーズ・クロッシング)」、オカルト現象の裏側の犯罪劇「世界の神秘を解く男」、日本推理作家協会賞受賞の傑作「都市伝説パズル」他、全6篇を収録。

新本格ミステリ 最新刊続々発売!

  • 『十角館の殺人 限定愛蔵版』9月6日発売予定! 綾辻行人さんの不朽の名作です。
  • 『謎の館へようこそ 白 新本格30周年記念アンソロジー』(東川篤哉、一肇、古野まほろ、青崎有吾、周木律、澤村伊智)9月22日発売予定!
  • 『謎の館へようこそ 黒 新本格30周年記念アンソロジー』(はやみねかおる、恩田陸、高田崇史、綾崎隼、白井智之、井上真偽)10月20日発売予定!
  • 『7人の名探偵 新本格30周年記念アンソロジー』(綾辻行人、歌野晶午、法月綸太郎、有栖川有栖、我孫子武丸、山口雅也、麻耶雄嵩)9月7日発売予定!

「新本格ミステリ」の魅力はつきることがありません。これからもどうぞお楽しみに!

「新本格ミステリ」特設ページはこちら

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