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ココロの‘人間関係毒’は早期対処が鉄則!「デトックス法」を知っておこう

ココロの毒がスーッと消える本
(著:奥田弘美)
2017.06.20
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頭の回転がニブくなり、機転がきかなくなったりアイデアがわきにくくなる。ストレス過多の日本、なにをするにも気力が出なかったり、疲労感がなかなかとれなかったり、わけもなく憂鬱感にとらわれることになったりしたことがある人は多いと思います。これは、ストレスにさらされ続け、「ココロに毒」がたまり、「ココロが重く」なった状態なのです。

奥田さんによるとココロは充電池のようなものであり、貯えられたエネルギー(電力)はストレスにあうことですり減っていきます。すると次のようなことが起こります。
・へこんだりイライラしたり、落ち込んだりしがちになる。
・なんとなく気持ちにハリがなくなり、おもしろいことが少なくなる。

これが「ココロの疲労現象(=毒)」です。ココロのエネルギーを減らし、やがては「食べる、寝るに使うエネルギーすら不足してくる」ようになってしまいます。ですから毒がたまり、悪化する前に「デトックス」をしなければなりません。

ストレスの原因とされているものに人間関係があります。「職場だけでなく家庭生活のストレスの原因で上位を占め」ているのが人間関係です。といっても人と関わらずに生きていくことはできません。ですから大事なのは「早期発見、早期対処!」ということになります。

この本の最も優れたところは「人間関係毒はデトックスで早期対処!」という章です。奥田さんが考案した「コーチングと精神科」が結びついた「デトックス法」の特長がとてもよくあらわれています。

この章でサイン(兆候)別にとりあげられているものをいくつか紹介します。

・「人と会うのがなんかめんどう」なとき
:人生の休演日デトックス。
人は、家で、職場で、友人の前で「たくさんの役を演じています」。この「演じることに疲れたとき」、このような気持ちになります。そんなときには「なにも演じない日」を作るのが一番。
──誰もあなたを知っている人がいない場所に、ひとりで行きましょう。誰も訪ねてこないからといって、そのまま自宅にいるのは、あまりおすすめできません。自宅には、あなたの役割が染みついています。(略)あなたが、何も演じる必要がない、何もペルソナ(仮面)をつける必要がない時間というのは、実は、とても貴重でぜいたくな時間なんです。──
 
・「あの人苦手~、逃げたい!」と感じるとき:相手を「幸せになるための摩擦」と考える。
私たちが持っている自己防衛本能はときにストレスを作りだします。自分が受け入れられないと、つい「自分のほうが正しく、相手のほうが間違っている」と思ってしまいがちです。
──「私がこんなに不快なのに、相手は改善してくれない。けしからん」と怒りの感情がわいてエネルギーを消費する。「あの人にわからせるためには、どういう方法をとればいいのだろうか」と試行錯誤し続けて疲れてしまう。この思考パターンがココロの毒をつくり出してしまうのです。──
むしろ「彼らは、私が幸せになるための摩擦役だと」考えましょう。彼らは私たちが「幸せ山の頂上」に行くための摩擦役なのです。この摩擦のおかげで私たちは「坂道を転げ落ちない」で歩けるのだと。

・つらい我慢をしつづけているとき:スマートに愚痴りましょう。
この愚痴をいうには極意があります。
1.愚痴る相手を選ぶ:口のかたい人、秘密を守れる人が大原則。
2.愚痴る前には必ず相手に許可をもらう:コーチングでいう「許可をとる枕詞」です。
3.必ず短時間で終える。自分で時間を決めておく
4.愚痴が終わったら必ずお礼をいう

これ以外にも「相手に解決策を語らせる」「タイプ別相手への伝え方」「香りの効用」などケースごともに具体的な処方箋が記されています。自分の悩み(毒の元)に心当たりが必ず見つかると思います。

さまざまな刺激、ストレスにさらされると自分の「ココロが硬直」してきます。
──年齢を重ねるにしたがって、私たちは「~しなければならない」とか、「~したほうがお得!」なんて、義務感や打算で物事を考える知恵がついてくるために、純粋なワクワク感や楽しみを忘れがちになってしまっています。まるでコンピューターのようなココロになって、弾力性が欠けていってしまうんです。──

この硬直したココロにはリハビリが必要です。このリハビリにうってつけなのが「よき思い出効果」です。
──古きよき思い出に触れている時間には、自分が無邪気に無心に楽しんでいたころの思い出がリアルによみがえってきます。こんなふうに、その当時を懐かしんで、ただボーッとするだけでもココロのリカバリーに効果大なんです。──

──まずは皆さんも、過去に興味のあった「ワクワクすること」「ココロから楽しんでいたこと」から、いつのまにか封印して忘れてしまった何かを見つけてみてください。──
それが「好転」につながることが多いのです。

この本の最後に奥田さんがなぜこのようなことを考え、本を書くことになったかが記されています。それは医師として「たくさんの人の死に目に立ち会った」ことだそうです。
──人の死に目にたくさん出会わせていただいたおかげで、年齢に不相応なくらい「よりよく死ぬには、どうしたらいいのか?」ということを考えるきっかけを与えてもらいました。そして、「よりよく死ぬには、よりよく生きること」が重要だということに、気づかされました。──

よりよく生きるにはココロのエネルギーを失わせるようなことを少しでも減らしていかなければなりません。ココロが「毒」でやられる前に、この本の「デトックス法」をぜひ試してください。ココロに油断は禁物です。

  • 電子あり
『ココロの毒がスーッと消える本』書影
著:奥田弘美

「なんだかモヤモヤして元気がでない」「寝ても疲れが取れない」……。特に身体の調子が悪いわけでもないのに、心のエネルギーが100%にならない人は、現在とても多いと著者は説きます。その結果として、頭痛や精神病などになり、身体の不調を引き起こす「モンモン症候群」になっている人が多数存在するとも。
そうした「心に毒がたまっている人」の毒をデトックスするための方法を精神科医が書いたのが、この本です。「同僚への苦情は『ほめ言葉』でサンドイッチする」「イライラしたときにはなぜを3回繰り返す」「焦ったら他人を褒める」など、目からウロコの毒出し方法がズラリ。日常生活に役立つストレス解消の方法をすぐに学べる本です。

レビュアー

野中幸宏

編集者とデザイナーによる書籍レビュー・ユニット。日々喫茶店で珈琲啜りながら、読んだ本の話をしています。政治経済・社会科学から芸能・サブカルチャー、そして勿論小説・マンガまで『何でも見てやろう』(小田実)ならぬ「何でも読んでやろう」の二人です。

note
https://note.mu/nonakayukihiro

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