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【名作発見】全国「男遍歴」の果て、知恩院で従兄と暮らす著者は誰?
郷里山口、朝鮮、京都、東京、北海道、八丈島、天城湯ヶ島、めまぐるしくダイナミックに移動し恋愛する主人公は著者自身がモデル。ほとんど何も考えてないかのごとく、反射的に直感的に絶え間なく行動していくようすを追ううち、感じる、マジでリアルに、ひとりの人間に振りまわされまくる感覚。行きあたりばったりも徹底すればスジとなって通るようなかっこよさがあります。(カラスヤ)
- 電子あり
他の介入を許さず気儘に生きた〈放蕩無頼〉の人生。雪の上で夥しい血を吐き、狂い死した父は、娘に〈真っとう〉に生きろと教えた。しかし娘は、父の道をなぞるように更に鮮烈に生きた。70をこした女が、この世に生れ過した不思議を恬淡と語りかける「或る一人の女の話」。「刺す」を併録。自伝的傑作2篇。
レビュアー
1973年生まれ。漫画家。著作に『カラスヤサトシ』『カラスヤサトシのおしゃれ歌留多』『強風記』『喪男の社会学入門』『毎日カラスヤサトシ』『オレは子を見て育とうと思う』『カラスヤサトシの世界スパイス紀行』『おとろし』など多数。『アフタヌーンはカラスヤサトシのもの』を「アフタヌーン」で連載中。近刊に新書館『カラスヤサトシの孫子まるわかり』、講談社『カラスヤサトシ』9巻、リイド社『カラスヤサトシの戦国散歩』があります。
近況:1日ひとつ、植物の名を憶えていく、という目標を掲げてみました。
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