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堀内百貨店の「聖域」デパ地下に手を付けた事業部長の伝治は、人気おにぎり店に通うのだが……
「なんでもあるのに欲しいものはない」デパートの未来は?
売り上げ減少で閉店のピンチにあった堀内百貨店はどうにか危機を脱したものの、依然、低迷が続いていた。事業部長の高橋伝治はデパ地下テコ入れのため、名古屋で大人気のおにぎり屋を出店させようとするが、店主はとことん頑固者。「類友」の高島マーケティング部長、「マドンナ」瑠衣などの協力を得た伝治に秘策はあるのか?
著者メッセージ
前作『幸腹な百貨店』は昭和30年代生まれ、バブルの申し子といわれるデパートマン高橋伝治が、バブルなんて教科書でしか知らない若者たちとともに、経営不振にあえぐ百貨店と閑古鳥が鳴く商店街を地元の祭りを通じて復興させようと頑張る物語でした。
その続編となる『幸腹な百貨店 デパ地下おにぎり騒動』では、年代の壁を超えて理解を深めた伝治と従業員たちが、堀内百貨店の更なる改革に挑みます。
祭りのあと、順調に伸びを示すかと思われた売り上げが急落、慌てて堀内百貨店を訪れた伝治は、現状維持に徹し、それ以上の改革なんて考えもしない従業員の姿に落胆します。
『堀内百貨店の聖域』と呼ばれる飲食店や地下食品売り場さえも売上が低迷、商店街の面々からも心配の声を伝えられ、伝治は呆然。このままでは再び閉鎖危機、なんとか客を呼び戻さねばと頭をひねるものの、なかなか良案は浮かびません。気持ちを奮い立たせようと、呑みに出かけた先で、伝治が出会ったのは──。
なんでもあるのに欲しいものはない、と言われる堀内百貨店。伝治と仲間たちは、客が真に求めるものはなにか、と模索し続けます。呑んだり食ったり、褒めたり叱ったり、勘違いや失敗も続出。そんな彼らのデパ地下改革騒動、とくとご覧ください。
- 著者プロフィール
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秋川滝美(あきかわ・たきみ)
2012年4月よりオンラインにて作品公開開始。2012年10月、『いい加減な夜食』(アルファポリス)にて出版デビュー。著書に『ありふれたチョコレート』『居酒屋ぼったくり』(ともにアルファポリス)、『放課後の厨房男子』(幻冬舎)、『メシマズ狂想曲』(小学館)などがある。
主な登場人物
高橋伝治 流通大手である五代グループの中部事業部長。合併によりグループ会社となった堀内百貨店の店長を務めたことがあり、堀内百貨店の業績を気にかけている。
花村瑠衣 堀内百貨店のリビングダイニングおよび贈答品売り場のフロア長。伝治の4年後輩で、30年来の付き合いがある。堀内百貨店のマドンナと呼ばれている。
高島達也 五代グループのマーケティング部長。リビング商品部長から昇格したばかり。伝治の同期で「類友」の関係。
神田寛久 入社5年目で、瑠衣の部下。今時の若者であったが、以前から関わりのあった「ふるみなと祭り」に尽力した。
山城奈々 堀内百貨店の新入社員。食品売り場で働く。「ふるみなと祭り」の際の働きで、瑠衣とともに近隣住民の人気を二分する存在に。
丸山靖 堀内百貨店店長。やる気を見せなかったが、長年の趣味であるトレーディングカードのイベントを企画して以来、前向きな姿勢を見せる。
朝倉慶太 古湊商店街にある人気の和菓子屋「あさくら」を営む。「ふるみなと祭り」を盛り上げる運動を主導した。
新田 堀内百貨店の近くにある喫茶店「風来坊」のマスター。慶太の知り合いで「ふるみなと祭り」を盛り上げる運動に協力。
担当者メッセージ
売上が低迷する堀内百貨店の再生のため尽力する事業部長の伝治が主人公の、好評第2弾です。 「気合い」「バブル」「グルメ」な伝治が、「ふるみなと祭り」に続いてターゲットにしたのは、人気おにぎり屋。できたておにぎりを提供する店に通い詰め、店主に気に入られはしたのですが……。管理職でありながら「自ら動く」が信条の伝治は、周りに影響を与えながら、大きな動きにしていきます。その展開は、働く人は勿論のこと、多くの方に共感を得られること間違いなし。またデパ地下が主な舞台ですから、おにぎりのみならず、グルメシーンが満載。そこは『居酒屋ぼったくり』の著者ですから、読むとお腹がすくこと請け合いです!
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