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糖質ダイエットもNG?「世界一受けたい授業」で注目『日本人の体質』新常識

〇〇はがんを防ぐ、××を食べるとやせる、△△を実践すると脳が活性化するなど、さまざまな食材や食品の健康効果や健康法がメディアで紹介されるようになりました。そうした健康情報の中には、たしかに効果的なものも多くありますが、欧米人を対象におこなわれた研究結果がもとになっていて、欧米人にしか効果が期待できない情報も混ざっています。

日本人には、日本人固有の遺伝的・環境的要因、生活習慣などから育まれた“日本人の体質”があります。その体質を踏まえて考えると、効果があまりなかったり、むしろ逆効果になったりするなど、日本人には合っておらず、積極的に取り入れる必要がない健康法もあるのです。健康情報をそのまま受け入れるのではなく、自分の体調の変化に気を配り、日本人の体質に合う健康法の中から、自分に合うものを選べるようになりましょう!


ブルーバックス『欧米人とはこんなに違った日本人の「体質」』の著者・奥田昌子先生監修のもと、話題の「健康法」を中心に、8つの問題にまとめてみました。あなたの「常識」は大丈夫か?テストで確認を!

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「炭水化物を控えてはいけない」「オリーブオイルを摂りすぎると生活習慣病に」「筋トレをしても、“やせ体質”にはなれない」──見落とされがちだった「体の人種差」の視点から、欧米人とは違う日本人の「体質」の新常識。テレビ「世界一受けたい授業」でも話題の奥田昌子先生が、徹底解説!

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【問題1】 正しいダイエットはどれ?

1.炭水化物を減らす
2.オリーブオイルを飲む
3.乳製品を減らす
4.筋トレでやせ体質に


【正解と解説】
正解は〔3〕乳製品を減らすです。牛乳やヨーグルトなどの乳製品には、健康に良いイメージがありますが、もともと欧米から入って食品なので、必ずしも日本人の体質に合っているとは限りません。乳製品には脂肪が多く含まれているため、ダイエット目的なら逆効果です。乳製品に含まれているカルシウムは他の食品からも摂取できます。代わりに緑黄色野菜、海藻、大豆や大豆製品、小魚などをしっかり食べるようにしましょう。

一方で、〔1〕炭水化物を減らす糖質抜きダイエットは、糖質を減らすぶん、脂肪の摂取比率が上がるだけでなく、特定の食品を避けることで、そこに含まれる栄養成分を摂取できなくなるリスクがあります。〔2〕オリーブオイルには、コレステロールの合成を高めない不飽和脂肪酸が多く含まれていますが、すでに体についている脂肪を落とすことはできません。また、油はすべて高カロリー食品です。〔4〕筋トレで筋肉量を増やすと、基礎代謝が上がりますが、日本人は欧米人より筋肉がつきにくいので、欧米人ほど基礎代謝量は上がりません。それと同時に、やせると脂肪が減ることで基礎代謝が下がってしまうのが難点です。筋トレのダイエット効果は低いと言えます。

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【問題2】 正しい健康法はどれ?

1.オリーブオイルでやせる
2.赤ワインで動脈硬化を防ぐ
3.大豆で乳がんを防ぐ
4.コーヒーで集中力を高める


【正解と解説】
正解は〔3〕大豆で乳がんを防ぐです。大豆に含まれているイソフラボンという成分には、乳がんの原因となる女性ホルモンの過剰な作用にブレーキをかける働きがあります。大豆を原料とする豆腐や味噌、納豆などの大豆製品は、すべて乳がんの予防に有効です。

〔1〕オリーブオイルには、コレステロールの合成を高めない不飽和脂肪酸が多く含まれていますが、すでに体についている脂肪を減らすことはできません。また、油はすべて高カロリーなので、ダイエット効果は見込めないでしょう。〔2〕赤ワインに含まれるポリフェノールには、悪玉コレステロールの酸化を妨げ、動脈硬化を起こしにくくする効果がありますが、日本人にはアルコールによる発がん性のほうが問題です。ポリフェノールは、ブルーベリーやイチゴなど別の食材にも含まれていますので、赤ワインにこだわる必要はありません。〔4〕コーヒーに含まれるカフェインには、脳の神経を興奮させて集中力を高め、疲労を消す効果がありますが、日本人を含むアジア人はカフェインで不快な症状が起きやすいタイプの遺伝子を持つ人が多いので、注意しましょう。

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【問題3】 日本人の骨を強くする食べ物はどれ?

1.味噌汁
2.牛乳
3.マグロ
4.とんかつ


【正解と解説】
正解は〔1〕味噌汁です。日本人は欧米人と違って、海藻と緑黄色野菜、大豆や小魚などからカルシウムを摂取してきました。中でも、大豆と大豆製品に含まれるイソフラボンという成分は、骨からのカルシウムの流出を抑えることが分かっています。

〔3〕マグロ〔4〕とんかつの材料である豚肉には、カルシウムはもとより、骨を強くするのに役立つ成分がほとんど含まれていません。また、〔2〕牛乳はカルシウムの含有量は多いものの、牛乳を多く摂取しても骨折率は下がらないというデータがあります。日本人には牛乳を飲むとおなかが痛くなるなど体質に合わない人もいるため、カルシウム源として牛乳にこだわる必要はなさそうです。イソフラボンをたっぷり含む味噌汁を飲んで、骨を強くしましょう。

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【問題4】 正しい健康法はどれ?

1.食物繊維で便秘改善
2.ヨーグルトで腸内改善
3.糖質抜きで糖尿病予防
4.青魚で動脈硬化予防


【正解と解説】
正解は〔4〕青魚で動脈硬化予防です。アジ、イワシ、サンマ、サバなど背中が青い魚には、動脈硬化を防ぐEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)が豊富に含まれています。このEPAとDHAは、悪玉コレステロールが酸化されて動脈硬化を起こすのを防いでくれます。日本人は動脈硬化が進みにくいことが知られており、これは伝統的に青魚を多く食べてきたからだと考えられています。

〔1〕便秘改善のためには、日本人の場合、食物繊維の摂取を増やすだけでは不十分。伝統的に炭水化物中心の食生活を送ってきた日本人は、脂肪やたんぱく質を消化・吸収する能力が低く、便通が遅れる原因になるため、動物性食品の摂取を控えるとよいでしょう。日本人は世界的に見て腸内環境がよいことが示されています。ヨーグルトに食物アレルギーを発症する人も多いため、〔2〕腸内改善が目的ならヨーグルトを食べる必要はなさそうです。〔3〕糖質制限をすると脂肪の摂取比率が上がり、肥満につながります。また、ブドウ糖を充分摂取できなくなって膵臓に負担がかかるため、かえって糖尿病を発症しやすくなるリスクがあります。

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外見や言語が違うように、人種で「体質」も異なります。体質が違えば、病気のなりやすさも変わることがわかってきています。欧米人と同じ健康法を取り入れても意味がなく、むしろ、逆効果ということさえあるのです。最先端「新常識」満載の1冊!

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【問題5】 胃がん予防で一番効果的なのはどれ?

1.ヨーグルト
2.緑茶
3.ミネラルウォーター
4.くよくよしない


【正解と解説】
正解は〔2〕緑茶です。緑茶に含まれる緑茶ポリフェノールという成分に胃がんの発症を抑える効果があります。日本で12年間かけて行われた調査では、血液中の緑茶ポリフェノールの濃度が高い女性のグループは、もっとも低いグループとくらべると、胃がんの発症率が70%も低いという結果が出ました。ところが、タバコを吸う人には同じ効果が期待できません。タバコを吸っている人は、緑茶ポリフェノールの摂取が増えると、胃がんの発症率が2倍以上高くなります。日本は、先進国のなかでも男性の喫煙率が高い国。このことも胃がんの発症率の高さと関係していると考えられています。〔1〕ヨーグルト〔3〕ミネラルウォーターで胃がんを予防できることを示す確実なデータはありません。

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【問題6】 がんリスク、ガセネタはどれ?

1.肉食は発がん率アップ
2.デスクワーク男は大腸がん
3.夜型人間は前立腺がん
4.初潮が早いと乳がん


【正解と解説】
正解は〔1〕で、肉食で発がん率は必ずしもアップしません。牛肉を含む赤肉を多く摂取することで、がんになるリスクが指摘されているのは事実です。ただし、特に大腸がんは、肉食中心のモンゴルで発症率が非常に低い、肉を多く食べる米国女性のほうが日本人女性より発症率が低い、など、肉の摂取量だけでは発症率を説明できません。肉食イコールがんのリスク、というわけではないのです。

一方、〔2〕デスクワークが多く身体活動が少ない男性は大腸がんになりやすいこと、〔3〕睡眠が不規則な男性は前立腺がんになりやすいこと、〔4〕初潮が早いと女性ホルモンの影響を長く受けて乳がんになりやすいことは、いずれも多くの研究データから間違いないと考えられています。

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『欧米人とはこんなに違った 日本人の「体質」 科学的事実が教える正しいがん・生活習慣病予防』書影
著:奥田昌子

日本人には、日本人のための病気予防法がある! 同じ人間であっても、外見や言語が違うように、人種によって「体質」も異なります。そして、体質が違えば、病気のなりやすさや発症のしかたも変わることがわかってきています。欧米人と同じ健康法を取り入れても意味がなく、むしろ、逆効果ということさえあるのです。見落とされがちだった「体の人種差」の視点から、日本人が病気にならないための方法を、徹底解説!

・日本人は炭水化物を控えてはいけない
・日本人がオリーブオイルを摂りすぎると生活習慣病に
・筋トレをしても、日本人は“やせ体質”にはなれない
・血圧のために減塩すればいいとは限らない
・生活習慣が同じなら、日本人は欧米人より大腸がんになりやすい
・日本人は、欧米人より乳がんになりやすいタイプの乳房を持つ人が多い
・日本人が感染する東アジア型のピロリ菌は、欧米型のピロリ菌と違って胃がんを起こす力が強い
・日本人は、飲酒によって血圧が上がりやすく、すべてのがんの発症率も上がる

「日本人ならではの体質」の新常識が満載!

著者紹介

奥田昌子
内科医。医学博士。京都大学大学院医学研究科修了。愛知県出身。長年にわたり健診センターで予防医学に従事。大手化学メーカーの産業医を兼務し、医学文献、医学書の翻訳にもあたる。翻訳書に『身体が見える・疾患を学ぶ 解剖アトラス』(メディカ出版)、『ジョージィの物語──小さな女の子の死が医療にもたらした大きな変化』(英治出版)など。著書に『健康診断 その「B判定」は見逃すと怖い』(青春出版社)がある。
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