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【公務員なめんなよ】お金大好き税金のプロが、あなたの家計を救う!

「BE・LOVE」で連載されている『ゼイチョー!~納税課第三収納係~』は、新人徴税吏員(りいん)・百目鬼華子(どうめき・はなこ)が主人公の公務員お仕事漫画である。
徴税吏員の主な業務は納税処理と滞納対策。税金未納者の経済状況を把握し、自宅に電話をかけ、訪問し、時に財産を差し押さえて税金を納めてもらうよう促すのが仕事だ。
プライベートに立ち入らざるを得ないだけに滞納者側の拒絶反応は大きく、取立屋かのような扱いを受ける場合もある。それでも華子は税法の知識を駆使して真正面から向き合い、税金を完納するため、何より滞納者のために様々な問題を解決していくのだ。

2016.06.13
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慎結

2003年、「花の家」(「ザ・ララ・メロディ」5月号掲載)でデビュー。「MELODY」(白泉社)をはじめ、「百合姫」(一迅社)「Love Silky」などでも活躍。『Ghost Only』(白泉社)、『ガールズ・シンドローム』(一迅社)などのほか、電子雑誌「Love Silky」にて『仮面を取って見せなさい』を掲載。現在は、納税課職員の活躍を描く市役所人間ドラマ『ゼイチョー! ~納税課第三収納係~』を「BE・LOVE」(講談社)にて連載中。

知っていれば助けになるはず

作者である漫画家の慎結(しん・ゆい)さんは、数年前に納税の仕事を手伝ったことをきっかけに、この漫画の構想を得たという。

「行政のサービスは国民の守られた権利なので、もっと使った方が良いのに、なかなか知る機会が少ないのは残念」と語る。そして「納税について知っていれば役立つことが多いので、例えば義務教育で確定申告まで教えるなど、積極的に税金について教えてくれる場ができ、自然と知識が身に着く環境ができたら理想的だと思います」と続けた。

『ゼイチョー!』に登場する滞納者たちは、さまざまな権利を知らなかったがために苦労をする人たちばかりだ。
たとえばアルバイトをしながら病気の母親を扶養する浅川は、扶養控除と医療費控除を知らず、高い税金を納めていた。そんな浅川に対して華子は「更生の請求」、確定申告のやり直しをすすめる。控除分を再計算して所得に合った税額を割り出し、過払い分については返還される。
また固定資産税を滞納した末、夫に内緒で消費者金融に手を出した主婦には、まず夫に事実を伝えるところからスタートする。家庭の問題を解決し、つつがなく納税できる道筋を整えるのも仕事だ。

『ゼイチョー』

徴税吏員は税金を徴収するだけの存在ではなく、個人の経済状況や事情を総合的に判断して、適正な額の税金を納める方法を一緒に考える税金のプロなのだ。

読者からは「税金について知ることができてうれしい」という感想が多く寄せられるという。同じくらい多いのが、「市役所や公務員に対してのイメージが変わった」という感想だ。
はじめて滞納者の自宅を訪れた華子は、「納税課です」と名乗ろうとして先輩吏員にたしなめられる。滞納者の立場をおもんばかった細やかな配慮など、一般には知らない人が多い事実も多く、とても興味深い。

『ゼイチョー』

金にがめついのは、はしたないのか

そしてもうひとつ今作の面白いところは、華子がお金を大好きなことだ。いつもは無表情で無愛想なのに、給料日には浮かれる気持ちを隠さない。
「金にがめつい女の子はモテないよ〜」とからかう先輩に対し、華子はきっぱりと述べる。

『ゼイチョー』

慎さんはこのシーンを描いた時の気持ちをこう振り返る。

「お金が絡むと人が変わると言う話はよく聞きますが、それはお金が大事だからです。不浄と言われることがあるからこそ、華子にあえてそれを否定させたかった」

困窮した母子家庭で育ち、税金の未納に伴う行政の強制執行を受けた過去が華子という人格をつくり、税金のプロになる道を選ばせた。
「公務員なめんなよ」という啖呵は「私はあなたを支えたい。だから遠慮なんてせずに頼って欲しい」という意思表示なのだ。

華子が提案する方法はすべて実際にわれわれ国民が持つ権利ばかり。妻を亡くした夫への控除「寡夫控除」など聞きなれないものも登場する。制度や知識が、そして何よりそれを扱う人間が、人を救うこともあると思わせてくれる一作だ。
『ゼイチョー!~納税課第三収納係~』は「BE・LOVE」で連載中。コミックス1巻は6月13日発売。

  • 電子あり
『ゼイチョー!~納税課第三収納係~』書影
著:慎結

幸野市役所納税課に勤める百目鬼華子は、クールな見かけとは裏腹に、お客の前で机にペンを突き刺すなど、予測不能な行動も多いマイペースな新人職員。
脱力系チャラ男公務員・饗庭蒼一郎とペアを組みワケあり滞納者と毎日本音で向かいあう!