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御年79歳、フォロワー22万人。小池一夫のTwitter名言集が刺さる

2015.12.16
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『人の悪口を言うときは、心して言いなさい。「自分は、人の悪口を言うような人間である」と人に思われる覚悟を持って言いなさい。それでも、どうしても人の悪口を言うときは、ユーモアを忘れないこと』

この戒めの言葉、実はさる方のTwitterでの呟きである。偶々Twitterで目にしたのだが、この一言が僕の心に深く突き刺さった。

その方とは、『子連れ狼』の原作者であり、高橋留美子、原哲夫、堀井雄二など、数多くの人気クリエイターを弟子にもつ小池一夫氏。

80歳目前という高齢ながら、自分が期せずして通ってしまった回り道を、我々後進の者たちに歩むませないようTwitterで果敢に説いてくれているのだ。そんな小池先生の言霊のような数多の呟きに、吉田松陰に師事する松下村塾の塾生たちの心境に似たものを得た。

冒頭の呟きの通り、人として最も品格を落とす行為、もっと言えば、人として最も醜い行為は、人様の悪口を言う、陰口を叩く行為であると僕も思う。

もし自分の周りで、人様の悪口を言ったり、陰口を叩く者がいれば、それに同調することなく、たしなめてやるくらいになりたい。さらに言えば、どこかいい部分を見つけて褒め返してやるくらいになりたいと思う。

そんな小池先生の格言のような呟きをTwitterで拝見したことがきっかけとなり、本書をすぐさま手に取った次第だ。そして、本書を拝読するに過去、小池先生がTwitter上で投稿した数多の呟きの中から、特に心に染みる呟きが抜粋され、読み易く編集されたかたちで拝読できるのである。なんとありがたいことであろうか。

特に僕自身の心に深く突き刺さった呟きの一部をご紹介したい。

『人生を過去に戻ってやり直そうと思うより、今を真剣に、そして丁寧に生きろ!』

これは20代、30代の若者に対して言ってる言葉ではない。60代、70代の年配者であっても学ぼうという気持ちや何かしらの志さえ持っていれば、たった今からでも楽しく人生を謳歌することが可能と諭(さと)してくれているのだ。自分の人生は、過去によって作られるものではなく、未来の希望によって作られる。今から心を入れ替えたって何ら遅くはないと小池先生は説く。

『人生は「誰と出会うか」で決まる。出会うべき人に出会わずして人生を過ごすことは、人生のおいての最大の損失である』

週刊プレイボーイ元編集長であり、現在エッセイストの島地勝彦氏は、まだ駆け出しの編集者だった頃、身分不相応な著名人に対してでさえも、これぞと思った人物には「直当たり」と称して、あの手この手を使って直接会う機会を作ったと聞くが、小池一夫氏の言わんとするところはまさにそのことである。これぞと思った人物がいれば年齢や地位に関係なく、正面からぶつかって約束を取り付け、教えを乞うべきであると。その行動力こそが人生の宝物を生むのであると。

『79歳になって、やらなかったことの後悔が、やってしまったことの後悔より深いことを知る』

『ものを知らない事の惨めさは、年を取るごとに増す』

僕はまだ50歳であるが、これらの言葉はこの年齢にしても十分身に染みる。後悔先に立たず、失敗を恐れることなく、たった今からでも積極的に行動してみようと思う。そして、いくつになっても学ぶ姿勢を忘れないでいようと思う。

小池先生、迷える子羊たちのために、どうか長生きしてこれからもTwitterで呟き続けて下さいませ!

レビュアー

東雲之風 イメージ
東雲之風

1965年、三重県生まれ。小池一夫、堤尭、島地勝彦、伊集院静ら作家の才気と男気をこよなく愛する一読書家です。

Heritager.com
http://heritager.com/

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