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「東京アリス」完結&新連載「月と指先の間」スタート記念 稚野鳥子ロングインタビュー【前編】

東京アリス
(著:稚野鳥子)
2015.09.02
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──Kiss10月号(8月25日発売)で『東京アリス』が最終回…ということで、おつかれさまでした。感動的なラストでしたね! 緻密に最後まで計算して描かれているように感じる素晴らしいラストでした。

稚野:
『アリス』がこんなに長く続くと思っていませんでした。なので、今、描き上げた感がすごくあるんですよ。ふう、理央、みずほ、円城寺の4人が違う道を歩みながらも幸せになって、また新しい物語がはじまっていくような終わり方になったので、未来に繋がる物語になったと思います。
私は作品が完結したときに「これで終わり、読み返さなくていいよ」っていう感じじゃなくて、「もう一回はじめから読み返したい!」って読者の方が思うような終わりが理想だと思っているんですが、『アリス』はそういう風には終われたんじゃないかなと。

──最終回は初期から決めていらっしゃったんですか?

稚野:
連載の途中からイメージが固まってきた感じですかね。
初期は、まず、恋愛ものにしようとか、友情ものにしようとか考えてなくて。とにかく買い物が好きな子のお話をしようってことだけだったんです。私はいつもそうなんですが、最初は考えてないんですよ。先のこととかは。
あとは、個人的に複数で喋っているシーンを描くのが好きだから、登場人物を仲のいい4人の女の子にして、群像劇みたいな感じで自由に描いてみたかったんですね。
そこからは、20代~30代の世代の人たちがシェアハウスを好んでしていて、夫婦+αでシェアハウスとかもあるんだよーみたいな話を聞いて、舞台にした代官山ってシェアハウスするには最適の場所じゃない?と思い、4人にシェアハウスをさせてみたり、その時々に感じたことや、知った情報を入れていきながら作ってきました。

1巻3p、4p/『東京アリス』の主人公・ふうは買い物にすべてのエネルギーを注入してしまい恋愛機能が低下している女子

1巻164p、165p/シェアハウスのスタートシーン!

──本当にリアルな女子の憧れや生活が描かれているところが『東京アリス』の魅力だと思います。

稚野:
自分で選んだ群像劇形式なんですけどやっぱり4人で喋ってるところは大変なんですよ(笑)。会話の内容はもちろん、ファッションとか髪型とか、着てるものとかもそれぞれの好みにちゃんと描くのは結構大変なんです。でも、読者の方はそういうところをちゃんと見てるし、楽しみにしてくださっているので、きちんと描こうっていつも思っています。カラー原稿を描く時には、ふうのリップの色はピンク系で、円城寺はコーラル系と1人ずつある程度決まってるんですよ。
最終回でも、ファッションにまつわる重要なシーンが出てくるんですが、これまでの4人のエピソードをつなげるモチーフをいれつつ、自分でもこんな感じのがかわいいかなと思うものを描いたら、なんだかとても細かくなっちゃって、すっごい時間がかかりました(笑)。

1巻174p、175p/リアルなお買いものシーンには「女の子のハッピーと欲望」がつめこまれてます!

後編は「きゅん」とさせた魅力的な男子にフォーカス!

『東京アリス』作品紹介ページ(無料お試し読みもあります)