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昭和20年8月9日長崎 原爆投下直後の松山町──カラスヤサトシの文庫で100年散歩
著者の被爆体験をつづった小説。「怖いものは見ない」とは古来からある人間の、危険を避ける呪法のようにも思えます。しかしなにか、そんなことではとても防げない、人智を超えた、とんでもないことが起きつつあることを察している様子がうかがえます。爆発の閃光で「盲目だった人が開眼した」とのうわさが流れたという話もでてきます。異次元のものへの恐怖を、誰もが感じていたのでしょうか。(カラスヤ)
レビュアー
1973年生まれ。漫画家。著作に『カラスヤサトシ』『カラスヤサトシのおしゃれ歌留多』『強風記』『喪男の社会学入門』『毎日カラスヤサトシ』第1巻など多数。『アフタヌーンはカラスヤサトシのもの』を「アフタヌーン」で連載中。新刊『オレは子を見て育とうと思う』(竹書房)『毎日カラスヤサトシ』第2巻、『『カラスヤサトシ』8巻(講談社)『カラスヤサトシの世界スパイス紀行』(新書館)、『カラスヤサトシの怖いところに手が届く』(集英社)、『おとろし』(秋田書店)大好評発売中です。
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